何してんですか ページ44
…見開いた目の先には、沖田隊長の真っ赤な瞳があって、その目はやっぱり燃えるようにゆらゆらと揺れていた。その目に映っている私は、文字通り目を見開いていて、驚愕の色に満ちていた。私の顔には影がかかっていて、今の私の目には彼以外何も映らない。唇に触れた彼の熱に、思考が一度完全に止まったような気がした。
……沖田隊長に、口付けられている。
「ーーッ、ん」
沖田隊長に触れられてから数秒くらいだろうか、キスをされたということを理解するまでにそれくらいの時間を有したような気がする。体感ではもっと長いのだけれど。この出来事だけで、時間の感覚がおかしくなってしまうみたいで、私の頭はまた混乱の渦に巻き込まれていく。なんとなく目をギュッと固く瞑っては、私は沖田隊長の肩を押す。
「ちょっと……何を…!!!」
「るせェよ」
なんでいきなりこんなことをするのか、どうして何も言わないのか、色々な質問が私の頭では噴水のように溢れ出してきて、顔を無理矢理に逸らして唇を離して彼に訴えようと口を開くも、沖田隊長は吐息混じりの声で「黙って大人しくしろ」とだけ言うなり、有無を言わせずに再び私の唇に自身のを押し付けてきた。
「ん、んッ…」
……荒っぽくて、呼吸をする暇なんて与えない貪るようなキス。
…声にならない声を漏らしては抵抗しようとするけれど、それでは沖田隊長はピクリともしない。力では勝つことが出来ないのは目に見えているけれど、だからといって他にどんな方法で対抗しようというのだろうか。沖田隊長の肩を押していた私の両手は、いつの間にか彼の両手に寄って押さえつけられてしまうし、とうすればいいのか分からない。
涙で滲んでくる目をそっと開いてみれば、沖田隊長の目はうっすらと開いていて、長い睫毛を伏せながらに私を見つめていた。
…彼が今、何を思っているのか、やっぱり私にはちっとも分からなくて。
「…ん、……ゃ、めて…」
…少しだけ唇が離れた隙にそう言おうとすれば、開いた唇の間から何かがぬるりと滑り込まれてきて、私はそれに肩をビクッとびくつかせてしまって。
…これはまずい、と本能的に悟った私は。
「…ッ」
…沖田隊長に掴まれていた両手をなんとか解放させて。
「何してんですかアンタはアアアアアア!!!」
…そんな声を上げながらに思わず、沖田隊長の頭をひっぱたいていた。
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雨散 - やばいいいいいいいいいいいい!!沖田のツンデレ?感があああああああ!! (2019年8月5日 15時) (レス) id: c6b3012422 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 理央さん» 理央さん!コメントありがとうございます!!面白いですか!私自身も色々試行錯誤しながら書いているのでお楽しみ頂けているなら嬉しいです!!引き続き少しでもお楽しみ頂けるように頑張りますので、よろしくお願いします! (2018年1月25日 22時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
理央 - ものすごく面白いです! (2018年1月25日 21時) (レス) id: 703121ec8e (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - りんさん» 拗らせてます…(笑) シリアス書き出したらやっぱり止まりませんね…この拗らせてシリアスがパァッ、と盛り上がるように頑張ります!テスト勉強は……頑張りたくはないですが頑張ります(泣笑 (2018年1月3日 23時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - ミナさん» ミナさん!ありがとうございます!一番好きだなんて……嬉しいお言葉をありがとうございます!!長ったらしくやっていますが、今後ともお楽しみ頂けたら幸いです!沖田隊長にたくさんキュンキュンしていってください!!頑張らせて頂きます!! (2018年1月3日 23時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年12月12日 18時