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『……アイツら明日が戦だって分かってンのかよ』



登った屋根から見下ろせば、イチャイチャと談笑する二人の姿が目についた。口からは自然と舌打ちが洩れる



『まあ、銀時。いいではないか』

『……ヅラ』


後ろからやってきたヅラは、俺と同じ方向に目をやり一つ頷く。そのまま腕を組んだ



『ヅラじゃない桂だ。……ああして見るとAも普通の女子

戦の前くらい一人の女に戻ったって構わんだろう』

『……そうだな』


ため息混じりの自分の声に嫌気がさす

俺は彼女の顔を焼き付けるようにジッと見ていた



『ヅラァ仕方ないぜよ

金時はAのこと好いちゅーが。高杉ん盗られて悲しんどるんじゃろ?』

『ふむ、そういえばそうであったな

男の嫉妬は見苦しいぞ、銀時』

『ちげーよ!別に好きじゃねェよ!あんな女!』



ガハハハと笑う辰馬を一蹴し、再びAに視線を戻す。高杉と話しているAはただの町娘のように無邪気であり、何の汚れも知らない純粋無垢のようにも見える



そんなお前が、血に塗れたココに本当にいてもいいのか。俺はそればかり考えていた


……高杉の前で見せるってーのはムカツクが、辰馬の言う通り俺は、あんな顔をするAが好きなのかもしれねェ


あの笑顔を、壊れぬように護りたい。ガキの頃からそう思ってきた




ふと、Aが行く道を振り返る。そこにはもう人の影が見えない


なァ、A。やっぱりお前にあの名は似合わねェよ





----





そこから離れたある場所で、男が得物を腰に下げた女に囁きかけた

口元はニタリと曲がっており、背筋がゾクっとするような感覚になる



『ようやく見つけた』



____A

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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 鬼兵隊   
作品ジャンル:アニメ
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ハル(プロフ) - 雪之吹雪神姫さん» いい、です。よいの砕けた言い方です。よいは色んな漢字があるのですが、攘夷浪士の俺に関わるのは世では善か悪か、といった意味も込めて善い、という漢字を当てはめさせてもらいました。 (2015年12月20日 14時) (レス) id: 74bf78ff90 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 雪之吹雪神姫さん» 尽くした、で合ってます。手紙はバレないように試行錯誤尽くして隠した。と言う意味で手紙はバレないように尽くした、と書きました。 (2015年12月20日 14時) (レス) id: 74bf78ff90 (このIDを非表示/違反報告)
雪之吹雪神姫(プロフ) - 善いこれ何て読むんですか? (2015年12月20日 6時) (レス) id: 6aebb63daf (このIDを非表示/違反報告)
雪之吹雪神姫(プロフ) - 尽くした=隠したでは? (2015年12月20日 6時) (レス) id: 6aebb63daf (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 四葉さん» 嬉しいです!ありがとうございます(^^) (2015年12月12日 20時) (レス) id: 74bf78ff90 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル | 作成日時:2015年12月2日 16時

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