【カゲプロ】信じ合えば、きっと。4 (ページ14)

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第百十二話 -another- ページ14

カゲロウデイズから現実世界に戻ったその日。

Aは俺に泣きついて寝た後、部屋に寝かせたものの、Aは部屋から姿を消していた。

クロハ「ちっ…どこにいるんだよあの女…」

面倒ながらも道沿いの川原の水を反射した光を浴びながら歩いた。

すると、知らない男がAの手を取って何やら話しかけていた。

ナンパとかいうやつなのだろうか。

男1「ねえお姉さん。消えたいとかいう前に僕と一緒に暮らそうよ？」

A「い…嫌って言ってるじゃない！！」

またどうせくだらない事を考えていたのか。

Aの目は涙目に近かった。

クロハ「おい、そいつ俺の連れなんだけど？」

男を睨むと、『ひっ…』と情けない声を出してそそくさと逃げていった。

クロハ「A、大丈夫＿＿＿」

か、と言う前にAはスタスタと川原の付近にある橋の方に向かって行った。

俺は制するべく、Aの手首を掴んだ。

A「離してよ…なんでこんなところまで来たの…」

クロハ「急にお前がいなくなったからだ。それよかさっきあの男がお前が何か言ってたって…」

そこまで言うと、Aはガクガクと体全体を震わせて俺に怒鳴った。

A「あんたには関係ないでしょ？！大事なもの失ってないあんたなんかに、私の何が分かるの！？もう大事なもの何一つ持ってないなら、私なんて、消えちゃえば＿＿＿」

口より先に手が動き、反射的にAの右頬を叩いていた。

クロハ「死んだらいいわけないだろ！？」

Aはなおガクガク震えているのにも関わらず、口は止まる事なく言葉を発した。

クロハ「俺だってお前の気持ちは分かんねえよ！！でも＿＿＿お前がそんな泣いてたら＿＿＿死のうとか思ってたら、止めないわけないだろ…」

感情的になってAの頬を叩いた自分に怒りが発し、言葉が出なくなってしまった。

A「…悲しい顔しないでよ…」

Aは無表情で何か言いたげだったが、それも長くは続かず、目からは涙が溢れ出て、声を殺して泣いていた。

A「うっ…っ…ひっく…！」

泣き止みそうにないAを、日が暮れるまで腕の中で包み込んだ。