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第百十二話 ページ12

クロハSide


あれから数分後、Aは泣き疲れて寝てしまった。


クロハ「…はあ……。」


盛大な溜息が出る。


前にもこんな事があった気がする。


なんで俺はこんなに不器用なのだろうか。


こんな自分がAに想いを伝えるのは難しい、と感じた。


俺が部屋の窓から出ようとすると、


カノ「出ちゃっていいの?」


盗み聞き主犯がドアから出てきた。


クロハ「振られたやつには関係ないだろ。」


まあ俺だって振られたんだが。


カノ「本当にそうだと思ってる?」


まるで心を見透かすようにカノが問う。


カノ「じゃあ聞いてみなよ。Aの声を。」


その考えには気がつかなかった。


確かにAは考えてる思いが強ければ強いほど、能力は自動的に発動する。


クロハ「無意識だったのはそのためってわけか…。」


ボソッと呟き、寝ているAの顔に近づいて目を閉じ、耳をよく澄ます。


『ごめんね…クロハ……好き…だから…』


クロハ「…っ!」


一瞬耳を疑った。


カノ「ね?まだ君にもチャンスがあるでしょ?」


カノはそう言って笑ったままだが、俺の思いは複雑に絡んだままだった。


カノ「じゃあ、僕が手を打ってあげようか?」


クロハ「…変な真似だけはよせよ。」


そう忠告して話を聞いた後、俺はその仲直りの策略とやらを実行する事になる。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


もうクロハの呼び方で『欺く』奴とかめんどいので、呼び方カノにしました←

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作者名:Madicc | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/redwhite/  
作成日時:2014年2月4日 14時

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