なぐさめて。【8月5日】 ページ6
時刻は18時半。
外の明かりはあるけれど、電気をつけてないと少し暗い。
バイトから帰って電気もつけずソファーに倒れ込んだ。
バイトで今日はミスをした。
特に私に害はないと言っても落ち込むのは落ち込む。
志麻くん帰ってる?
志麻くんからラインが来た。
Aかえってる
そう返してスマホを閉じる。
今日は何もうまく行かなかった。
朝から晩まで働いて、おかげにミスをして散々な一日だ。
今日何回目かのため息をついたとき、家の鍵が開いた。
「…帰ってないやん」
ドアを開けるなりそう呟きながらリビングへ向かってくる志麻くん。
そして電気をつけるとまた一言。
「うわ、びっくりした。おかえりA」
今帰ってきたのは志麻くんなのに、私におかえりと言ってくるあたり本当に私のことばっか。
「ただいま。おかえり志麻くん」
「なんちゅう体勢してんの」
そう言われて普通にソファーに座り直す。
着替えるために寝室へ行った志麻くんが「どした〜？A〜？」と大きい声を出す。
部屋着に着替えた志麻くんはソファーの後ろから私を抱きしめた。
「A？どうしたん」
いつもとは違う、柔らかい優しい声。
それでも話す気にならない私は黙り込んだまま胸のあたりに組まれている志麻くんの手を触っていた。
「アイスいる？」
「ジュース飲む？」
「お菓子食べる？」
「桃むく？」
志麻くんの質問にことごとく私は首を振った。
すると彼は私の隣に座って私を抱き上げて自分の上に向かい合わせになるように乗せた。
「言わなわからん。俺なんかした？」
その質問にも素直に首を振る。
数分、彼は私の手を触りながら私が話し出すのを待っててくれた。
空気に耐えきれなくなった私は口が動いていた。
「バイトでミスした」
口にすると一人で抱えていたものがふわっと逃げて軽くなり、涙が溢れていた。
すると彼は私をぎゅっと抱きしめて頭をなでてくれた。
いつもなら「そんなことかよ」っていうのに。たまにこういうことをしてくる彼はやっぱりずるい。
「よく頑張った。偉い偉い。」
そう言いながら泣いている私の背中をさすったり頭をなでたりしている。
「…ありがと」
「ん。落ち着くまでこうしといたる。」
そのまま安心した私は志麻くんの腕の中で寝落ちしてしまった。
起きた頃には志麻くんのおかげでミスしたことによるネガティブな思考や落ち込みはなくなっていた。
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せせ@れいとうるぅれっと(プロフ) - 夏休みが来るからこれ読みにきたけど何回読んでも飽きない… (2021年7月11日 10時) (
レス) id: 83c428c2eb (このIDを非表示/違反報告)
れおなちゅ(プロフ) - 夜空さん» こちらこそありがとうございます！！ (2021年3月3日 19時) (レス) id: ca0a69caca (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - めっちゃ良かったです！！ありがとうございました！！ (2021年3月3日 19時) (レス) id: e4bf4be51b (このIDを非表示/違反報告)
乃々夏(プロフ) - れおなちゅさん» え、幻聴かな…？れおなさんに『おめでとう』を言われた…？いやいや、まさか。 (2021年2月8日 20時) (レス) id: e426f8e368 (このIDを非表示/違反報告)
れおなちゅ(プロフ) - 乃々夏さん» ありがとうございます！！！！卒業！！おめでとうございます！（はやい）またこういう作品かけるように時間作らないとっ！！ (2021年2月8日 20時) (レス) id: ca0a69caca (このIDを非表示/違反報告)
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