浦島坂田船でただただ妄想を膨らませるやつ【短編集】

悪夢【志麻】 ページ24

？！

「夢…」

時計を見ると3:00
丑三つ時。怖すぎ。

隣を見るとすやすや眠っている俺の可愛い彼女


なぜ高校のときの夢を見たんだろう。
Aの頭をなでながら考える。

『…んっ』

「あ、悪い起こした？」

『…志麻…くん？』

「そう、志麻くん」

『朝…？？』


寝ぼけてる彼女が可愛すぎて尊い。

「3時」

『……え？』

「かわい」

『ずっと起きてたの？』

「やな夢見て起きた」

『そっか…どんな夢？』


嫌な夢といった言葉に反応したのかAは俺のところにすり寄ってきて安心させるように手を握ってきた。

「Aをみんなで取り合ってる夢。高校のときAがセンラと別れたときの夢。みんなAが好きやったとき。今は俺のやのに…」

『ふふ、そんなこともあったね…私が最低だった頃だ…』

やってしまったと思った。
この話をすることでAがセンラのことを思い出す。そしてその頃の自分を責めているAに嫌な思いをさせる。

「あ、ごめん変な話しした」

『ん？大丈夫だよ。私は志麻くんのだから。安心して？』

「ありがとう」

不安な思いを悟ったのかぎゅっと握りしめられる手。
そんなところが好きなんだ。全部全部わかってしまうところ。

ウトウトしているAを寝かしつけながら、他の誰にも取らせないと心に誓った。







･






「愛してるA」

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