第41話 ストーカーXは誰か。その9.にわか ページ43
夕方の5時。安室さんのバイト時間が終わってポアロを出た。さくちゃんの方が家が近いので先に彼女が送ってもらうことになった。世間話をしながら向かい、家に着くとそこには。
「あ、咲良。おかえり。」
さくちゃんの幼なじみの男の子がいた。
咲良「た、ただいま!え、どうしたの?」
「あんなメールが来たから心配でね。そしたら咲良ママから晩ご飯のお誘い受けてさ、今日はグラタンだってよ。」
咲良「グラタン!やったぁ!あ、流花ちゃんと安室さんもよかったらうちで食べていきませんか?味は保証しますよ!」
「咲良のお母さんはいつもご飯多めに作るから食べきれなくて、だから一緒に食べてくれると嬉しいです。そして俺と咲良の胃を助けて下さい。」
人懐っこい笑みで話す彼。
安室「そうなんですね。でもすみません、この後予定があるので。」
「そっかー、残念です。高槻さんは?」
流花「お誘いは嬉しいけど、私も予定あるから今日は帰るよ。」
咲良「ふふ、流花ちゃんはこれから安室さんとデートだって。」
「えっ、そうなの?.....高槻さんの彼氏?」
さくちゃんの言葉に彼が動揺したのが分かる。安室さんも気付いたのだろう、一瞬目が合った。
流花「違うよー。さくちゃん誤解を招く言い方はやめようか。」
咲良「てへ。」
流花「可愛いからって許さないよー。」
彼は笑みをこぼすと私に1歩近付く。
「高槻さん、ちょっといいかな?」
流花「.....うん、いいよ。」
咲良「え、どしたの?」
「内緒。」
私と彼は少し離れた電柱に行く。彼はさくちゃんと安室さんが会話してる様子をちらりと見ると口を開いた。
安室「どうでしたか?」
流花「安室さんの読み通りでした。」
さくちゃんの家から少し離れたところで彼との会話内容を安室さんに伝えた。
安室「ではこれでストーカーは決まりですね。」
流花「はい、安室さんありがとうございました。後は警察に任せますので.....。」
もう大丈夫です。と言う前に安室さんは私の肩を引き寄せて、そのまま足早に歩き始めた。思わず彼を見上げ私は息を飲んだ。同時に鼓動が大きく鳴り早鐘を打ち始め、嫌な緊張が全身を巡る。
いつもの安心させてくれる笑みも、心強さをくれる笑みも消え去り、刀のような鋭い表情をしていたからだ。緊迫感が伝わってくる。安室さんのこんなにも警戒している姿をこの目では、初めて見た。
安室「生憎ですが流花さん、そうは問屋は卸してくれないようです。」
ピリピリと響く声。同時に後ろから複数の足音がして、近付いてくるのが分かった。
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未来ーミクー(プロフ) - 面白かったです!最初は「読みにくっ」と思いましたが内容は素晴らしかったです!!この調子で更新頑張って下さい。続き待ってます (2020年1月17日 16時) (レス) id: 6e3b9846a0 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬花恋(プロフ) - さちさん» めっちゃ嬉しい、読んでくださってありがとうございます!楽しんでいただけて何よりです。更新なるべく早くできるように頑張ります! (2019年10月26日 21時) (レス) id: 8df8383c0e (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろいです。続きが楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年10月26日 20時) (レス) id: 5f335610e5 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬花恋(プロフ) - まさるさん» ご指摘ありがとうございます<(_ _)>修正しました! (2019年8月20日 22時) (レス) id: 8df8383c0e (このIDを非表示/違反報告)
まさる - 毛利探偵事務所の住所は、東京都米花市米花町です。東都などという地名はありません。 (2019年8月20日 13時) (レス) id: 7e2c3c7e2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一ノ瀬花恋 | 作成日時:2019年8月17日 5時