第40話 ストーカーXは誰か。その8.隠蔽 ページ42
流花「ないない。それはないよ。」
咲良「隠さないの。流花ちゃん安室さんに恋してるでしょ?かっこいいもん!」
流花「ノー。恋とかっこいいは違うよ。」
咲良「嘘だー。」
流花「本当。」
咲良「またまたー。」
からかうように言うさくちゃんだが、普段と変わらない私の様子に、えっ、と言って楽しそうな笑みを固め顔に冷や汗を浮かべた。私はにこにこと笑みを返す。
咲良「.....もしかして流花ちゃん、安室さんのこと全然好きじゃない?」
流花「うん。」
咲良「えっ、本当!!?」
流花「嘘。確かに安室さんは好きだよ。でもそれは恋愛感情じゃなくて憧れとか尊敬とかの意味合いなの。」
私の返答にさくちゃんは至極残念な様子。顎を机につけて私を恨めしそうに見上げてきた。
咲良「流花ちゃんは絶対安室さんに惚れてると思ってたのにー。」
流花「惚れてないよー。さくちゃんだって安室さん、だけじゃなくて西森太一にも本気の恋はしてないでしょ?それと一緒だよ。まぁ、さくちゃんには好きな人がいるからその人しか眼中にないか。」
私がそう言うとさくちゃんは「なっ.....」と言って顔を林檎のように赤くする。沸騰しそうな勢いだ。
流花「いつもいつも恋しそうに名前呼んでるもんねぇ、えーと.....」
咲良「うあああああ!!やめて流花ちゃんっ!!!」
さくちゃんの真似をしようしたが、羞恥の沸点を通り過ぎた彼女に止められた。さくちゃんの大声にポアロにいる人間全ての視線が刺さる。それに気付いたさくちゃんは更に顔を赤らめる。
咲良「やめて.....許して.....。」
流花「ごめん、さくちゃんが可愛くてつい。」
咲良「可愛いって.....。」
流花「恋してる女の子って可愛いでしょ?」
咲良「.....知ってるよ。だって流花ちゃんもそうだもん。」
流花「.....勘違い。」
まぁ、確かにこの世界に来て安室さんと直接関わって好きの気持ちは膨らむ一方だけど、それは決して恋とは違う。
.....本当に?
.....嘘、私は安室さんが.....違った、勘違いだった。
だって安室さんを好きになったところで叶わないって分かってる。恋は楽しい嬉しい幸せとかの感情でいっぱいになる。でも叶わない恋は.....きっと辛くて痛くて苦しいだけ。そんなの嫌だもん。
そう、私は安室さんは好きだけど、恋愛感情で好きなんじゃない。
でなきゃいけない。私は弱いから、玉砕確定の恋なんて負荷、耐えられない。 だからこの勘違いは早く消そう。
━━━━━━━━━━━━━━━そうしないと勘違いじゃなくなりそうだ。
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未来ーミクー(プロフ) - 面白かったです!最初は「読みにくっ」と思いましたが内容は素晴らしかったです!!この調子で更新頑張って下さい。続き待ってます (2020年1月17日 16時) (レス) id: 6e3b9846a0 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬花恋(プロフ) - さちさん» めっちゃ嬉しい、読んでくださってありがとうございます!楽しんでいただけて何よりです。更新なるべく早くできるように頑張ります! (2019年10月26日 21時) (レス) id: 8df8383c0e (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろいです。続きが楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年10月26日 20時) (レス) id: 5f335610e5 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬花恋(プロフ) - まさるさん» ご指摘ありがとうございます<(_ _)>修正しました! (2019年8月20日 22時) (レス) id: 8df8383c0e (このIDを非表示/違反報告)
まさる - 毛利探偵事務所の住所は、東京都米花市米花町です。東都などという地名はありません。 (2019年8月20日 13時) (レス) id: 7e2c3c7e2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一ノ瀬花恋 | 作成日時:2019年8月17日 5時