【まふまふ】タイムリミットまで【歌い手】

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とりあえず、明日の朝に帰ることになった。


もう暗いし。


私の“先生”は部屋から出て行って、輝と私だけ。


この、重々しい歪んだ空気を変えるために、なんとなく手元にあったスマホを開いてみた。


「なにこれ、まふのLINEと着歴やっばっ」


「……俺もやぁ」


スマホを手に取ると、朝は8件くらいのLINEの通知が92件になっていた。


そのうち、78件が真冬。


何があったらこうなるの！？




とりあえずラインを開いてトークを送る。



Aごめん、通知切ってて気づかなかった


LINE画面を開いていたのかすぐに既読がつき、光の速さで返信が来る。


まふなんで!?

A間違えたのー笑

まふ心配した!

Aごめんって!
作業に集中してたらつい

まふluz君家まで迎え行く



そういえば、同棲しだしてここまで連絡しなかったのは初めてかもしれない。



A今日はなにか掴めてる気がするからまだ二人で話し合うことになったの

A朝には帰るから。ね?



適当に理由をつけて今日は帰らない、というふうに言う。


帰らない、じゃなくて帰れないのだけど。



まふ朝何時?

A10時くらい

まふえー

Aなるべく早く帰るから!!ね?

まふluz君家ならしょうがないかな…

Aごめんね?

まふううん、頑張って。我が儘言っちゃってごめんね!

Aううん、ありがと!




「輝、話し、合わせてね」



ボロを出して、怪しまれたくない。


バレないように。
誰にも悟られないように。


せめて、笑って過ごそう。


私の時間は、どう足掻いてもあと残り僅かしかないのだから。


少しぐらい、我が儘をいってもバチは当たらないよね。

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