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深いクマが刻まれた涙袋を揉む姿は人ひとり殺めたと言われても納得してしまうくらい物々しい。
本来ならば一刻も早く自分の書類を片付けてしまいたいはずだが…ご愁傷さまである。
｢最近他国からの観光客も増えてきて、ま、すぐおっ死ぬようなヤワなヤツは雇ってないとはいえ、念には念をいれましょかって話になったんですね。｣
警備の見回り強化、巡回は2人行動で。
元来WD国は慢性的な人手不足で、建国当時は幹部も3人しかいなかった。だが着々と軍に関わる人間も増えてきて、新人2人を迎え入れるタイミングでツーマンセルを作ろう、という話になったというわけで。
｢本来なら新人同士、信頼関係もあるし組ましてやりたかってんけどな。そこの2人が組むと問題行動しか起こさへんから…。｣
どこ吹く風で口笛を鳴らす美丈夫と、バツが悪そうに肩をすくめる(ふりをする)ボーダーの彼は、お世辞にも仲がよさそう！と手放しに言いきれる雰囲気ではない。
淡い金髪に空の青をたたえる男をコネシマという。
ツリ目がちな瞳を細めて、おちょくるようにして隣のボーダーを肘でつつく。それを鬱陶しそうに払う彼の名はシャオロン。柔らかな茶髪に赤いニット帽がよく映えた。
関係が剣呑、というわけではないが、こと戦闘においてはお互いポジションが被るせいかすこぶる相性が悪く、例え完全な勝利を収めたとしてもやれカバーが遅かっただの、やれ出しゃばるなだので言い合いから殴り合いにまで発展しボロボロになって医務室に連行されるため、しんぺい神最大の悩みの種となっていた。
あとにつかえる患者だっているのだから、無駄な内ゲバで物資と時間を浪費するわけにはいかないのた。
｢はい！はい！ならさあ、俺とショッピでええやんな？おい、ええやろショッピ！｣
｢うーんまあ、お互い弱点をカバーできる立ち回りではあるけど…。ショッピくんはコネシマでええか？｣
｢ちょ、マジやかましっすわ絡まんとって。俺は別にええですけど。｣
｢ほんまは？｣
｢嫌や。｣
なんやとオイ！だってコネシマさんやかましいんすもん。
たった2日3日やそこらで随分気安い雰囲気で会話をする2人に対して、半強制的に組むことになるであろうAとシャオロンは目線を交わしたことだってない。言わば知人でも、なんなら他人ですらないのである。
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哀(プロフ) - 左原さん» 感想ありがとうございます！すごく嬉しいです...手汗がとまらない...これからも読んで頂けると幸いです！ (2018年6月2日 17時) (
レス) id: 037484ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
左原(プロフ) - 文章も設定も凄く素敵で大好きです... (2018年6月2日 11時) (レス) id: 28700181e9 (このIDを非表示/違反報告)
哀(プロフ) - 朝霧さん» わーい！お気に召したようで嬉しいです！コメントすごくありがたいです...頑張りますね！ (2018年5月25日 23時) (レス) id: 037484ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
朝霧 - 待って、、、こーいうの好きなんやけど、、、ああ！申し遅れましたねェ、朝霧言いますー、ほんまこういうの好きですゥ！頑張ってください！ (2018年5月25日 12時) (レス) id: 3d4e8d6b36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：哀 | 作成日時：2018年5月20日 19時
