5､ねぇ私のブルーメン ページ13
ショッピから紹介されたのは軍医のしんぺい神。
胡散臭い笑顔してますけど腕は確かっす、ってひそひそ話をしていたら、しんぺいがにっこり笑う。
ショッピが信頼しているから多分大丈夫。
白い布を傷口に巻いてもらっていると、暖かい色をした扉が小気味いい音を立てて開いた。
｢Hallo,A。随分傷が増えたな。｣
｢Hallo,グルッペン。やっぱりあなたの国だったのね。｣
ずっと前にグルッペンと交わした挨拶。どこの国の言葉か分からないけど、相変わらず発音しにくい。
目を瞑る前に鬱が見えたからもしかしたら、と思ったけど。
グルッペンの後ろから、ひょっこりと3人の男性が顔を出す。
1人は鬱。あのときと同じ顔でわたしの名前を呼んでくれた。久しぶりだね。
もう1人は...知ってる。ずいぶんと強かったのを覚えてる。できればもう敵にまわりたくない。
あと1人は、目の下に大きな熊を飼っている人。赤いマフラーがとっても綺麗。
｢このやつれてるのがトントンで、緑色のがゾム。我が国の書記長と工作員だ。｣
｢誰のせいやと...いやええわ...トントンです。今回はウチのクリーパーがご迷惑おかけしました。以後お見知りおきを。｣
｢ゾムですぅ。死にたい時は言ってな！なるだけ楽に殺したるから！｣
｢うん。そうする。｣
｢コラァゾムゥ！！！｣
影で目元が見えないけれど、わくわくしてるのがよく分かる。暖かい木の幹みたいな色のやわい髪の毛が、降り注いだチョップで揺れる。痛そう。
｢あ、俺のことは知ってるやんな？｣
｢報連相のできないゴミクズです。塵とでも呼んでやって下さい。｣
｢結構根に持っとるな！？｣
｢当たり前やろ！！この−−｣
そこから先は聞き取れなかった。ショッピが耳を塞いだから。
きっとよくないこと。しんぺいの笑顔がさっきより深いから。
耳が放されたタイミングで、グルッペンに尋ねる。
｢わたしの国は？｣
｢ああ。そのことか。Aの国はな、どうやら色々と不祥事を起こし、挙句隠蔽していたようでな...他国からの協力もあって、滅んだよ。つい一昨日な。｣
いやいや、実に残念だ。
しかし我々は正しく正義を振りかざしただけ。
間違っていないさ、1歩たりともな。
わたしだってもう子供じゃない。
半分嘘で、半分ほんと。どれが嘘なのか分からないけど。
｢そうなんだ。｣
ふぅん。それだけ。
だって別に、あそこに思い入れがあるわけじゃないもの。
あ、でも、グルッペンと鬱に似た色を持っていた2人はちょっと心配かもしれない。
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哀(プロフ) - 左原さん» 感想ありがとうございます！すごく嬉しいです...手汗がとまらない...これからも読んで頂けると幸いです！ (2018年6月2日 17時) (
レス) id: 037484ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
左原(プロフ) - 文章も設定も凄く素敵で大好きです... (2018年6月2日 11時) (レス) id: 28700181e9 (このIDを非表示/違反報告)
哀(プロフ) - 朝霧さん» わーい！お気に召したようで嬉しいです！コメントすごくありがたいです...頑張りますね！ (2018年5月25日 23時) (レス) id: 037484ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
朝霧 - 待って、、、こーいうの好きなんやけど、、、ああ！申し遅れましたねェ、朝霧言いますー、ほんまこういうの好きですゥ！頑張ってください！ (2018年5月25日 12時) (レス) id: 3d4e8d6b36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：哀 | 作成日時：2018年5月20日 19時
