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｢ショッピくん、何か心当たりは？｣
ちら、と横目でグルさんを見て、気が乗らないように視線を逸らす。
｢...あの人は完治する前に戦場に行ってしまうんで。｣
ふーん...。
...工作員の方へ首を向けると、ちっす、と小さく手を挙げた。
ちっすちゃうねんお前。行動改めろや。
｢なるほどね。強迫概念的なものかな。なにか原因が？｣
｢さぁ。｣
清々しいまでの嘘。
まるで表情が変わらないので分かりにくいが、取り繕う気すら見えない口元が歪む。
しんぺい神がカルテから顔をあげて、そう、と目を細めた。
この人のこの穏やかではない表情、久々に見た気がする。
｢それから、グルッペンと鬱先生から聞くに、彼女は変食気質があったみたいだけど、普段はちゃんとご飯食べてる？｣
｢あー、多分食べてないんじゃないっすかね？｣
これは今のあの子に関わる重大な話や。
嘘ついてへんやろな？
じぃと見つめれば、依然涼しい顔で右手を顔の前で振る。
｢これに関しては四六時中一緒にいるわけじゃないし詳しいことは分かんないっす。｣
｢ほんまか？｣
｢そりゃできるならずっと行動を共にしたいっすけど。無理っすよ俺の階級じゃ。｣
確かショッピ君は一般兵やったっけ。
一般兵がお国の囲っとる兵器とどうやって接触したのか定かではないが、どうやら嘘をついてる様子は無い。
｢まあ、一つ知ってることを話すと...あの人の腕、しんぺいさんは勿論見ましたよね？注射跡ありませんでした？｣
｢あったね。点滴か何か？｣
｢当たりっす。俺の予想やと、あの人は食べ物の代わりにソレで生き長らえてたちゃうかなって。Aさんが食事してるとこ見たことないですし。｣
的を得てる...かもしれない。
それに、やはりと言うべきか彼は少女の不利益に成りかねないこと以外に関しては嘘をつかない。一応捕虜であるから当たり前だが、こちらに割と協力的だ。
ウチの犬共も見習って欲しいわ。
｢じゃあ俺はそろそろお暇するね〜。ショッピくんも来るでしょ？｣
｢はぁ。｣
｢じゃあ幹部用の通路じゃなくて、普通の通路から来てね。ちょっと遠いけど、ショッピくんだとまだセンサー反応しちゃうからさ。迷わないようにね。｣
声が小さくなっていき、やがて扉で遮られる。2人分の足音が去った後、沈黙を貫いていたグルッペンが呟いた。
｢いい拾い物をしたな。優秀なオマケもついてきたし。｣
あーあ。もう帰りたいなんて言えんよ、哀れなヒロイン。顔も見たこと無いけど。
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哀(プロフ) - 左原さん» 感想ありがとうございます！すごく嬉しいです...手汗がとまらない...これからも読んで頂けると幸いです！ (2018年6月2日 17時) (
レス) id: 037484ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
左原(プロフ) - 文章も設定も凄く素敵で大好きです... (2018年6月2日 11時) (レス) id: 28700181e9 (このIDを非表示/違反報告)
哀(プロフ) - 朝霧さん» わーい！お気に召したようで嬉しいです！コメントすごくありがたいです...頑張りますね！ (2018年5月25日 23時) (レス) id: 037484ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
朝霧 - 待って、、、こーいうの好きなんやけど、、、ああ！申し遅れましたねェ、朝霧言いますー、ほんまこういうの好きですゥ！頑張ってください！ (2018年5月25日 12時) (レス) id: 3d4e8d6b36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：哀 | 作成日時：2018年5月20日 19時
