【真選組】おねーちゃん。

花弁 三枚 ページ4

.No side




「…本気？」


「ええ、もちろん。信女さん。あなたも賛成したじゃないですか。
今更なにを言うのです。」



信女は光のない瞳を細めた。



「…あの子は、まだ小さい。
心のどこかで 私と異三郎以外の人に壁を作ってる。」


「心配、なのでしょう？まぁでも、あの方たちなら大丈夫だと思いますがねぇ。」


「……」


「大丈夫です。早く奴らを潰して Aをまたこちらに迎え入れましょう。
妹を守るのも この姉の役目ですよ。信女さん」



その言葉を聞いた信女は、まっすぐに異三郎を見捉えると



「５ヶ月」



それだけ言って、腰まで伸びる美しい髪をなびかせて
局長室から出て行った。




その後ろ姿を暫く眺めていた異三郎は
呆れたように息を吐いた。




「やれやれ、普通だったら１年はかかるだろう調査を
５ヶ月で終わらせるなど、前代未聞ですよ。まぁでもエリートなら話は別ですが」




１０にも満たないあの少女が、
あんな力を持っていなければ きっと彼らに預けることはなかっただろう。

だが、彼らなら あの子の力を知っていようといなくとも
受け入れてくれる、そう確信があった。


彼らなら あの子を守ってくれる、と。




先程 信女にまっすぐと見られたとき言われた気がした。



「子を守るのは 親の役目」だと。



「ちゃんとわかっていますよ。今度こそ、守ってみせる」





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