【真選組】おねーちゃん。

花弁 十六枚 ページ17

.土方side




反射的に体を勢いよく起こし、ガキの部屋へ向かった。

おねーちゃん、おねーちゃん と声が聞こえる。


泣き声で目を覚ましたのか 各自の部屋から顔を覗かせ
何があったのかとあたりを見回す隊士も多いが、
そんなことを気にかけている場合じゃない。


とりあえず行かねェと……




ん？


待てよ。俺が行ったところでどうにかなるのか？
ていうか これ確実に泣いてんだろ？俺、あやし方とかわかんねーし。
なんか飴でも持って行ったほうがいいのか。
でも、見廻組から貰った書類に、
「８時以降は食べ物を与えてはならない、飲み物は可。ただし飲み過ぎは絶対にだめ。」
とか書いてあった気がする。与えたら何かありそうでめんどくさそうだな…。
じゃあ水か？水でもやればいいのか。
いや、それよりガキが好きそうなオレンジジュースのほうがいいのか。
でもエリートのとこのガキなら
「オレンジジュース カクテルお願いします」とか言いそうじゃねーか？
まあ確かにノンアルコールだから違法ではないが…ませすぎじゃねーか？




「あんたが勝手にそう思ってるだけでしょ。
ていうか、さっきからブツブツブツブツ気持ち悪ィんでさァ。」

「うおッ！！びび、び、びっくりさせんじゃねーよ！」

「させてねェ。というか前から歩いて来たでしょうが」

「見えねェんだよ！なんか電気でも持ち歩け！」

「いやバリバリ明るいですけど。隊士の部屋の明かりで
バリバリ明るいですけど。あんたどこ見て言ってんですかィ」




はぁ、と息を吐いた

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