ドミノ ② (ページ23)

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～石川慎吾 side～

『ごめんなさい！』

驚いて｢...は？｣なんて無愛想な声が漏れた。

そんなのもお構い無しに自分の気持ちをつらつら述べるA。

もう話せへんくなるのかとか、会えへんのかなって悩んでた自分がアホらしくなって笑い出してしまった。

｢ほんま、Aには敵わんわ～｣

『なんで笑うの！！ちゃんと自分の気持ち伝えたのに...』

と拗ねるA。

俺はAに近付いて頭をぽんと触った。

｢拗ねんとってや！w｣

『じゃあ、なんで笑っ｢好きやから｣

『へ？』

｢いや、やっぱり俺はAが好きなんやな～って。｣

驚いた声を上げたAをよそに俺も自分の気持ちを伝えた。

最後に"友達"として仲直りしよってことも。

するとAの顔はぱぁっと明るくなって元気な返事が返ってきた。

せっかく仲直りしたんやし、敬語はなしにしようと提案した。
1度は躊躇ったAやったけど、快く承諾してくれた。

しばらく微笑みあってたけどAの腕が目に入った。

赤黒く腫れていた。

｢あぁ！！手首っ！！｣

『へ？あぁ～これ？大丈夫だよ。』

なんて言うA。

｢大丈夫なわけあるか、あほ！
絶対俺のせいやろ？ほんま、ごめんな。今すぐ医務室行こ！｣

『でも慎吾くん練習あるし、大丈夫だよ？』

こんな時まで他人優先とかほんまにあほか、こいつ。

｢あかん！！Aの手当してから！今すぐ医務室連れて行かんとずっとほっとくやろ？｣

『ふふ』

｢なに笑っとんねん｣

『ん？卓さんみたいだなって』

｢惚気は聞き飽きました～｣

って流した俺やったけど、正直グサっときた。
やっぱり俺は卓さんには敵わんのやなって。

｢でも、ほんまに医務室行かんと『分かった！』

『医務室はちゃんと自分で行く！でも、慎吾くんは練習！！この後試合でしょ？』

｢...その怪我、俺のせいで『はぁ。』

俺の言葉を遮るように溜息をつくA。

『慎吾くんのせいじゃない！心配してくれるのは嬉しいけど、今は自分のこと考えて！試合、勝たなきゃでしょ？』

なんて抑え込まれて俺は素直に｢わかった｣と言ってしまった。

"友達"やのに堕ちてく一方の自分に喝を入れながら練習に向かった。