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give and take*神無月 郁* ページ5

「うわ、38℃…ごめんな、本当…」

『だい、じょぶ…なれてる…』


体温を計られ、冷えピタを貼られた私は、さっきまで郁の寝ていたベッドにいた。


「土曜日でよかったよ…お母さんには連絡してあるからね。」

『いつもの、ことだし…いいのに…』


私の母は、いわゆるキャリアウーマンで、家をよく空ける。父は現在、単身赴任中なので、ここ最近は郁が看病してくれることが多くなっていた。

けれど、郁がアイドルを始めてからは、私もなるべく気をつけていたのだが。


『ごめん…しごと、あるのに…』

「もう、喋らないで寝てな?」


ニコッと、無邪気に笑って頭を撫でる手に安心して、目を閉じた。



・郁side・


幼い頃は何度も見ていた寝顔を、ここ最近は再びよく見るようになった。

ちょっと思うところが無いわけでは無いけれど、彼女がぐったりと熱をもった身体だと意識すればどうということは無い。

とりあえず、ケータイを取って海さんに電話をかけた。


「あ、もしもし。海さんですか?」

『郁?どうしたんだ?』

「その…前に言ってた幼馴染に、風邪感染(うつ)しちゃって…」

『あー分かった。…つーかなんで俺なんだ。』

「え…いやぁ、隼さんに言ったら…こう…予想の遥か上を行く回答が来そうで…」

『…まぁ、そうだな…』


深い深い、溜息が聞こえた。


「えっと…では、よろしくお伝えください。」

『分かった。まぁ、とにかくしっかり看病してやれよ。…生まれ持った体質っていうのだけは、どうにもならないもんだからな。』

「ありがとうございます…失礼します。」


電話越しだけれどぺこぺこと頭を下げて、電話を切った。


『…ごめん、ね…』


小さく、うわ言のようにそう呟くAは、ひどく申し訳なさそうで、儚く見えた。

「だから、気にすんなって。大丈夫だから…。」

『でも…いく、すごく、がんばってる、のに…じゃま、して……っぅ…』


ついには、泣き出してしまった。

俺は、小さい子をあやすように、抱きしめた。


「大丈夫。
Aが元気に…笑ってくれるのが、俺にとって1番嬉しいの。
だから…俺に、元気になるのを手伝わせて?
で、元気になったら、またいーっぱい、笑ってね。
それで、十分だから。」


____________________

*堕天使*神無月 涙奈様、いかがでしたでしょうか。
郁くん、よくわからないので、いつか書き直します。すみません。
これからもこの作品をよろしくお願いします。

ミステリアス王子の素顔に迫る!*卯月 新*→←give and take*神無月 郁*



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藍華(プロフ) - リコさん» 気づかなくて申し訳ありません…!楽しんで頂けたのなら幸いです。これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2015年4月20日 23時) (レス) id: a2cd4c3dee (このIDを非表示/違反報告)
リコ - 新さんをリクエストさせてもらったリコです!!難しい要求だったのに、すばらしいお話になっていてスゲー!!って思いました。リクエスト通りでおもしろかったっす!ほんとーにありがとうございました☆ (2015年2月28日 12時) (レス) id: c922c4cb93 (このIDを非表示/違反報告)
藍華(プロフ) - *郁夜*さん» 文字数が足りず、コメントなど少なくて申し訳ありませんでした…満足していただけたのなら幸いです。消化遅くなり誠に申し訳ありませんでした。 (2015年1月3日 23時) (レス) id: a2cd4c3dee (このIDを非表示/違反報告)
*郁夜*(プロフ) - 名前は変わってますけど、いっくんをリクしたものです!!書いていただきありがとうございました!とても満足しています! (2015年1月3日 21時) (レス) id: 0fc071909b (このIDを非表示/違反報告)
藍華(プロフ) - まいさん» すみません!2に移行した際に外すのを忘れていました。ご指摘ありがとうございます。 (2014年12月17日 18時) (レス) id: a2cd4c3dee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藍華 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2014年8月9日 20時

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