コンタクト 【 トラファルガー・ロー 】

カウントダウン ページ25

『Area １０m…』

(１０ｍ以内…)



『Limited to…２０…』

(２０…限定…)



寝言の様にぶつぶつ呟くA。

だがAが今、とんでもない状態である事はロー達にはすぐ分かった。


「何してんだAちゃん！！」


ペンギンが叫ぶ。

ベポはふっ飛ばされたシャチを助けに行く。



『Next...YOU』

(次は…あなた)



ペンギンに告げるA。

ローはペンギンの危機を感じ能力を使う。


「ＲＯＯＭ…」


だが遅い。
Aはもうペンギンの前に立っていた(・・・・・)。


Aは動いた様に見えないのにペンギンまで勢いよく壁に叩きつけられる。


「チッ…！！」


ローの舌打ちにAが反応する。



『YOU』

(あなた)



Aはまたもや見えぬ速さでローの背後に立っていた(・・・・・)。


「(しまった…！！)」


ローが思う時にはもう壁に叩きつけられていた。


ユースタスとキラーもただ事ではないと構えAに殺気を向ける。

それがいけなかった。



『YOU...YOU...』

(あなたと…あなた…)


「(来る！！)」



ユースタスもキラーもしっかり見ていたが全く攻撃が防げず床に倒れてから気が付く。



「(一体いつ…！！？)」



体を起こそうとすれば背中や足に走る激痛。

２箇所も攻撃をくらっていて、気が付くのは倒れた後という恐ろしいスピード。

神経までもが反応しきれず痛みが後から来るという、体験した事のない事態。



『Count ５…』

(カウント ５)


『Another １５…』

(残り １５…)



「(攻撃エリアとその数か…！)」


突如見境なく攻撃し始めたAの言葉の意味をやっと理解するロー。

こんな事は今まで一度もなかった。

それゆえ遅れた判断。


ＲＯＯＭは維持出来ていたので物をAへぶつけるよう能力で投げる。



『Count １５…１６、１７、１８』

(カウント １５…１６、１７、１８)



ローの能力で向かってくる物を破壊しては冷静にカウントするA。



「(あと２個！！)」



ローも必死だ。

少しでも動けば攻撃がこちらに向かってくるのだ。



『１９、２０……』



よし！ とローはとりあえず物を動かすのを止めてみる。



『Accomplish one's mission』

(任務完了)



糸が切れた人形の様にAの顔がかくっと下を向き数秒が経過。

何なんだと驚く皆は倒れたままその姿を見ていた。

ぱっとAが顔を上げた時は皆びくっとした。


『みんな何してるの？』

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