人生最高の日 ページ33
いざその島に到着すると今までにない緊張感。
「キャプテン、カメポースがビブルカードみたいにぐいぐい動いてる…」
「近いって事だろ」
ごくりと唾を飲むクルー達。
ローも鬼哭を握る手に力が入る。
町、というより村だった。
１軒１軒家の距離があり、穏やかな景色が広がっている。
ロー達を警戒しない村人は「あら珍しい」と果物や野菜を持っていきなさいと渡してくる。
全員が手に抱えるほどあれこれ渡され、前が見えなくなる…と思っていた頃
「あ」
Aが外に置いてある木製の椅子に腰をかけ、本を読んでいる姿を見つけた。
ベポが力が抜けたように荷物をゴロゴロと落とす。
その音を聞いてふとAがロー達を見る。
驚いた顔をしたA。
急に立ち上がったせいで立ち眩みがしたのか体がすっと前屈みになった。
慌ててロー達が走って近寄ると、Aはぽろぽろと泣いていた。
『…っお…おかえり…なさっ…！』
ここはロー達の拠点ではないのに「お帰りなさい」と言うのだ。
「いや、待ってたの俺達だし」
「何ですぐ連絡してこなかったんだよー」
また痩せちまって…とAを心配するロー。
「あ、中に入ってください！」
泣いたまま笑うA。
今日は７月１０日、予定より随分早く到着していたのだ。
さあさあ、とリビングに通され椅子に座らされた。
積もる話はあるし、色々聞きたい。
「ちょっと待っていてくださいね！」
たたたっと走ってどこかへ行く姿にローはいつか見た夢を思い出す。
そのまま断崖絶壁から落ちるA。
そんな事はない、とぎゅっと目を瞑って長かったAがいない時間を思い出す。
とてつもなく辛かったし、後悔した。
一緒に行けばよかった、連れ戻せばよかったと。
「お前……ローか…？」
男の声。
その声は聞き覚えがある。
ゆっくり目を開ければコラさんがリビングの入り口で驚いた様子で立っていた。
「コラ…さん…なのか」
「ロー…！ 一丁前の男になって…！」
がしっと抱きしめられたロー。
そのまま２人が勢い余って暖炉に突っ込む。
「いてェ…コラさん変わってねェな」
「わりー！ あーもうお前デカくなって、おんぶしてやれないな！」
「されたくもねェ」
暖炉にぶつかった頭が痛いせいにして、目尻の涙を拭く２人。
Aは後方で２人を見守っていた。
嗚咽を堪えるよう両手で顔を包み、ぽろぽろと涙を流している。
皆にとって、人生最高の日となった。
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雫 - 内容は、ホントに面白いです！ですが、どうしても気になってしまった事がありまして…『レタス』は、コラさんの好物なんです…間違い指摘スミマセン。 (2019年9月29日 21時) (
レス) id: f97dc1e2b9 (このIDを非表示/違反報告)
りらりら。(プロフ) - ゆーじさん» ひゃぁぁぁぁ…僅か46話の間でこれほど内容が濃くできるのはやっぱしめちゃめちゃ尊敬してます！何個も続編があるように感じましたし、何よりまとめかたが上手い…！すごいなぁ…やっぱ様じゃないと私は失礼だと感じてしまう…！ (2017年10月1日 6時) (レス) id: 83f22703c1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - レディーの涙の音が聞こえた！！汐様泣かないでおくれ！！ローとコラさんの永遠の幸せは夢主ちゃんの最高の力で約束されたからね！泣いてくれてありがとうね！泣かせてしまってごめんね！！ そんな優しい汐様は美しい！！２は汐様に笑って貰えるエンディング頑張るよ！ (2017年2月2日 16時) (レス) id: f6a5d4b00c (このIDを非表示/違反報告)
汐 - 涙腺が......涙腺がぁぁぁぁ(( スマホの前でボロ泣きしました...。夢主ちゃん、助かるものだと思っていたので...。素晴らしい作品をありがとうございました！！2を今から読みに行って参ります！！ (2017年2月2日 4時) (レス) id: c3db11d6ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - Mickeyさん» うわあああ！！恥ずかしいけど嬉しいって素直に白状しちゃうよー！！ありがとうございます！！自分、楽器何もできないからどんなメロディーが流れるかは皆様にぶん投げで申し訳ないです！歌詞のどこかにMickeyさんに通じるものがあって嬉しいです！幸せめろりんー！ (2017年1月31日 15時) (レス) id: f6a5d4b00c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーじ | 作成日時：2017年1月20日 17時
