救いの手は必ず ページ29
「残念だが…」
ローはAから目を外し
何となくデスクの上を見る。
「俺はAが思う様な海賊とは違うな」
『……』
「奪うし、憎くて憎くて何度殺しても足りねェと思う奴がいる」
消えぬ悲しみと怒り。
１日も忘れた事がない相手。
その顔を脳裏に浮かべると
Aが静かにローの横に座った。
「説教なら聞かねェぞ」
『私にそんな事する資格はないです。
だってローは両親の思った様に
ちゃんと育っているじゃないですか』
ロー、己が決めた
はあ、とため息を吐くロー。
「Aと話をするのは…」
『疲れますか？』
片手でAの肩を引き寄せ
自分の胸に小さな体を納める。
「心地が良すぎる」
小さいがチクチク痛む棘を
いとも簡単に取り除くのだ。
苛立った心が静まり
許せない筈の過去を
綺麗に弔ってくれる。
「両親と妹の墓も作ってやれてねェ」
『今、作れたじゃないですか』
Aはローの胸に手を当て
『ここに』
そう言ってAはローの目をしっかり見る。
『命が眠る場所は土や海や空だけじゃありません。
故郷も同じ、ここにある事が大事なんです』
色が変わるAの不思議な瞳。
オーロラの様に美しい色がとてもよく似合う。
「…A、黙ってろ」
ありがとうが言えないロー。
抱きしめ心の中で呟くだけ。
Aにはそれで充分伝わる。
『じゃあローが何かお話しをしてください』
「…何もねェ」
ほらみろA。
俺は所詮奴への怒りだけのつまらねェ男なんだと思うロー。
だが憎き相手の顔は浮かんでこなかった。
思い出すのは白く美しい建物が並ぶフレバンス。
解けない問題を聞けば、ヒントをくれる父の声。
ヤンチャ盛りの妹が遊んでと騒ぎ宥める母の声。
「シスターに言われた。
この世に絶望はないと」
喋る事などないと思ったのに
心から勝手に言葉が出て来た。
「慈悲深い救いの手は
必ず差し伸べられると」
Aの香りを
もっと、と求めるロー。
「随分遅かったじゃねェか」
それをもっと早く知れていたら
海賊になろうなんて考えずに
コラさんに出会わずにいれた
コラさんは死ぬ事は無かった。
「俺はこれから…
どうしたらいい…」
Aは何も答えず
ローの背に手を回し
そっと背を撫でるだけ。
そうだよな
殺せなんて
Aが言う訳ねェ。
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ゆーじ - りらりら。さん» うはっ！バレないと仕込んだプロフすぐ見破られてしまった！さすがりらりらちゃん…ッ！あと２時間経てばゆー爺に変身してくよ！メリー「迎えにきたよ」でメリィィイイイ！！ってなったなー。「暗いからな沈む迄見ててやる」の時は何かもう言葉が出てこなかったよー！ (2017年10月24日 21時) (
レス) id: f6a5d4b00c (このIDを非表示/違反報告)
りらりら。(プロフ) - 後半四個のゆーじさんの紹介笑いましたwwwゆー爺www (2017年10月24日 19時) (レス) id: 0e18b1c72e (このIDを非表示/違反報告)
りらりら。(プロフ) - ゆーじさんの感受性と発想に感動してます…！ (2017年10月24日 19時) (レス) id: 0e18b1c72e (このIDを非表示/違反報告)
りらりら。(プロフ) - ゆーじさん» ゆーじさんごめんなさーい！(T-T)最近忙しくって…レスもできずすいません！お話が盛り上がっている…！エースつらいですよねー！一番泣いたのはメリーですが、エースも負けないくらい泣きました…！愛してくれてありがとうってなんだよー(T-T) (2017年10月24日 19時) (レス) id: 0e18b1c72e (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - あざみさん» 気のせいだよー！自分なんかが…。今続編のプレイリスト作ってたよ！移動時間も節約有効活用！くーっ！今週きびすぃ…！！でもストック作っておいたから最低１話は投稿するよ！もし良かったら続編でまた会おうね！応援してくれてありがとだよー！ (2017年10月24日 17時) (レス) id: f6a5d4b00c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーじ | 作成日時：2017年9月30日 8時
