理不尽な能力体 ページ10
広間でぐったりローとAは潰れている。
『スピード早すぎじゃない？』
「このまま島に乗り上げたら脱出どころじゃねェな」
『あんなに天候安定してたのにね』
「グランドラインだ、何があってもおかしくねェ」
分かってはいるが、この島ばかりは妙な情報を知っているがゆえ落ち着かない。
「あの資料は基地にあったのか」
『うん、捕縛された海賊の航海日誌、つまり捕縛されてない海賊は未知数』
「分かってるだけで生存確率６０％…確率はグンと下がるかも知れねェ」
『だよねー…』
この波に逆らい、海に沈んだ海賊は数字に含まれていない。
「他に分かった事はあるか？」
『太陽と共に進め、後ろには影があるのみ…これが脱出の手掛かりだと思うんだけど…』
「無事到着出来るかが先だろ」
『デスヨネー…で、ローは何か分かった事ある？』
「……」
『デスヨネー…』
昨日見ておけば何か分かったかも知れないのに。
半目で横にいるローを見るA。
「何だ」
『別にー…』
「仕方ねェだろシたかったモンは…」
『あー！ あーっ！！ 言わないでいいからっ！！』
男は我慢が効かないし
あまり隠そうとしない
「能力が使えれば問題ねェが…」
『今の内に遺書でも書いておく？』
「そんな無駄な事する体力がありゃAともう一発…」
『言 わ な く て い い か ら ！！』
危機的状況にあっても
もう流れに任せるしかないならジタバタしてもしょうがない。
『あれ…霧が消えてきたかな、体軽くなってきたね？』
「よし、少し体力温存だ」
ローの能力は体力を消耗するが
使えれば船が座礁する心配はなくなる。
しかしクラニオ島の本当の恐ろしさは寄航する事ではない。
それを知るまでもうあと僅か。
「船長！！ 中心の位置が掴めてきたっス！！」
シャチが広間に飛び込んで来る。
「チッ…まだ力が完全じゃねェ…」
「Aちゃんの言った通り島中心に渦巻いた潮っス！ まだ島は見えてないっス！！」
「島の影が見え始めたらすぐ知らせに来い、体力をギリギリまで温存する」
「了解っス！！」
Aは思う。
能力が使えたら自分も役に立てたのに…と。
それを１度も口にした事はないが
皆が頑張っているのに体だけ能力者で
弱点はそのままなんて理不尽だと思う。
「A、どうした」
体が固まるA。
『何でもない』
寿命を削る能力の封印はゼファーの想い。
今は亡き尊敬するゼファーの愛情の証だが…。
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ももか - １の後半から涙が止まらなかった、素敵な作品をありがとうございます! (2022年10月21日 0時) (
レス) @page24 id: ac673f01f1 (このIDを非表示/違反報告)
ももか - １の後半から涙が止まらなかった、素敵な作品をありがとうございます! (2022年10月21日 0時) (レス) @page24 id: ac673f01f1 (このIDを非表示/違反報告)
蘭々(プロフ) - 最期泣きました。この作品に辿り着けて本当に良かったです。ありがとうございます。 (2021年9月11日 13時) (レス) id: f3d7422dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - エリカさん» 作品を読んで感想までくれて嬉しいです！！ありがとうございます！！ゼファー本当に男…！！こんなおっさんになりたいです！作者様なのですね！？しかも殿堂作者様…！！寝る前にガッツリ読ませてください！！ ああもう楽しみ過ぎるー！！ありがとうございます！！ (2017年9月11日 20時) (レス) id: f6a5d4b00c (このIDを非表示/違反報告)
エリカ(プロフ) - めっちゃ良かったです！！思わず涙がでてしまいました...。ゼットいいお父さん。ゆーじさんの書くロー超イケメン...。これからも頑張ってください´`* (2017年9月10日 9時) (レス) id: 720530e6d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーじ | 作成日時：2017年5月23日 14時
