不吉な霧と海流 ページ8
早朝ぱっと目が覚めるA。
『…暑いと思った』
ローが背中にぴったりフィットして
腕をからめて眠っていたからだ。
よいしょとローの腕を外しベッドから降りて
ささっと服を着てシャワー室を使う。
まだ見張り兼操舵のベポしか起きていない様子。
『ベポーおはよー』
「おはよーAちゃん」
資料を少し持ってきてベポと会話をしながら解読不可能な文字を何とか解いていくA。
「何それー、うわっ字汚いね」
『読めないでしょ…手こずってるの』
「見せて見せてー」
はい、と１枚渡すとベポは首を捻りながら解読しようと頑張る。
「 “ 声が…(解読不可能)しんだ、オレも１ぬ ” 読めなーい」
『ん…？ １じゃなくて “ し ” だね、しぬ…か』
「これなに？」
『次の島の資料、独自入手のレアものだよ』
「え？ 次の島って危ないの？」
『さあ…まあ結構危険ぽいんだけど、よく分からないの』
ベポが読んだ部分はAは読めなかった箇所だった。
人によって解読できる部分が違うんだな、と認識した。
『武器は揃えてた方がいいかもね』
「俺、武器苦手なんだよねー」
カンフー白熊、３２０ｋｇ越えの体重に乗せた突きも蹴りも尋常じゃない強さ。
「よォ」
「キャプテンおはよー」
『おはよー』
「視界良好、波も安定してるから固定操舵にするねー」
「あァ」
ローの手にもクラニオ島の資料が握られていた。
全員で朝食を摂りながら分かってるだけの情報をクルーに伝える。
「ログが溜るのが異常に早ェ、町もねェ、物資の調達は現地でサバイバルだ」
「キャプテン…この島まではもう近いけど、次の島まで相当距離があるよ」
航海士のベポはそれが１番気になる様子。
「１ヶ月弱くらいの食料を確保した方が良さげだよ」
「保存食で持つだろ、現地に何か取れりゃいいが」
『カエルとかヘビ取ってきたらぶっ飛ばすからね！！』
食べられるのだがAはそれを食料とみなしていない。
「ん？」
「どうしたベポ」
「ガスが濃くなってきた、俺操舵室戻るよ！」
「頼んだ」
Aは食器を片していたが
大きな波に船がぶつかりぐらりと体が揺れる。
ロー達は慣れているし、踏ん張れるがAは無理だ。
手がギリギリ壁との衝突の威力を緩和させるが
何度も揺れる船体に異常を感じて床に座り柱を掴んでおく。
ローはすぐに操舵室へ何事か確かめに向かう。
「どうしたベポ！」
「変な波に捕まって舵が効かないよ！！」
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ももか - １の後半から涙が止まらなかった、素敵な作品をありがとうございます! (2022年10月21日 0時) (
レス) @page24 id: ac673f01f1 (このIDを非表示/違反報告)
ももか - １の後半から涙が止まらなかった、素敵な作品をありがとうございます! (2022年10月21日 0時) (レス) @page24 id: ac673f01f1 (このIDを非表示/違反報告)
蘭々(プロフ) - 最期泣きました。この作品に辿り着けて本当に良かったです。ありがとうございます。 (2021年9月11日 13時) (レス) id: f3d7422dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - エリカさん» 作品を読んで感想までくれて嬉しいです！！ありがとうございます！！ゼファー本当に男…！！こんなおっさんになりたいです！作者様なのですね！？しかも殿堂作者様…！！寝る前にガッツリ読ませてください！！ ああもう楽しみ過ぎるー！！ありがとうございます！！ (2017年9月11日 20時) (レス) id: f6a5d4b00c (このIDを非表示/違反報告)
エリカ(プロフ) - めっちゃ良かったです！！思わず涙がでてしまいました...。ゼットいいお父さん。ゆーじさんの書くロー超イケメン...。これからも頑張ってください´`* (2017年9月10日 9時) (レス) id: 720530e6d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーじ | 作成日時：2017年5月23日 14時
