相性の合う２人 ページ5
『ロー？ 本と資料持ってきたよー』
ローが部屋の扉を開けるとAは両手にどっさりクラニオ島に関するもの全て持って来た。
「そんなにあるなら言え、転んだらどうする」
『大丈夫だよー』
んな訳あるかとローは愚痴る。
まだ船に大きな波が当たり揺れると
踏ん張る力はまだないAは大抵転んでいる。
「随分あるな」
Aからさりげなく全て受け取って、デスクに置く。
『ほとんど脱出した海賊の航海日誌の記録の複写なんだけどね』
「普通じゃ手に入らねェもんじゃねェか」
『伊達に海軍に出入りしてた訳じゃないよ』
最初の資料１枚でもうローの手が止まる。
「…確かに読めねェな」
極度の恐怖が文字に見てとれる。
大きく、子供が書いた様な文字。
短い分の筈だが「ね」なのか「ぬ」なのかぱっと見では分からない。
ならば前後の分から推測しようとしてみるが
そこも意味不明な文字の羅列、といったもの。
「ここはキケンだログが(解読不可能)が(解読不可能)のまえにたつている」
小文字も大きくて３度読み返して何とか分かったが、余りに酷い文字だ。
「Aが見て分かった事はあるのか」
『何かがいる、例えばその人は何かの前に立っているって書きたかったんじゃないかな？』
「何かがいる…面白ェ」
『物だったら “ ある ” って書くよね？』
「そうだな、だが混乱してそう書いただけかも知れない」
本好きの２人は読んで学ぶ事もするが、解読したり、自分の解釈を議論するのも好きだ。
『他のも見れば分かるけれど、クルーを置き去りにして逃げ出した海賊もいるの』
「よっぽどだな、ますます興味深ェ」
『でもログは７時間で溜るから、長居は出来ないね』
だからクラニオ島の文献は少ない。
『二度と行きたくない派と、もう一度行きたい派がいるもの不思議』
「何種類かいるのかもな」
『私達はどうだろうね？ 生きて出航出来るかな？』
「やってやるさ」
余裕の笑みを浮かべるロー。
「さてA、この部屋に入ったのは何日ぶりだ？」
『３日？』
「３日も抱いてねェんだぞ、今日は俺の気の済むまでこの部屋を出れると思うな」
『資料が先でしょ！？』
「シねェと気が散るんだよ」
男の三大欲求は女性より貪欲だ。
逆に、何故女性は三大欲求の睡眠欲と食欲が１、２を争うのが男には不思議だ。
『待って待って！』
「断る」
男の気持ちも少しは理解してくれ
ローは切実にそう思うのだった。
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ももか - １の後半から涙が止まらなかった、素敵な作品をありがとうございます! (2022年10月21日 0時) (
レス) @page24 id: ac673f01f1 (このIDを非表示/違反報告)
ももか - １の後半から涙が止まらなかった、素敵な作品をありがとうございます! (2022年10月21日 0時) (レス) @page24 id: ac673f01f1 (このIDを非表示/違反報告)
蘭々(プロフ) - 最期泣きました。この作品に辿り着けて本当に良かったです。ありがとうございます。 (2021年9月11日 13時) (レス) id: f3d7422dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - エリカさん» 作品を読んで感想までくれて嬉しいです！！ありがとうございます！！ゼファー本当に男…！！こんなおっさんになりたいです！作者様なのですね！？しかも殿堂作者様…！！寝る前にガッツリ読ませてください！！ ああもう楽しみ過ぎるー！！ありがとうございます！！ (2017年9月11日 20時) (レス) id: f6a5d4b00c (このIDを非表示/違反報告)
エリカ(プロフ) - めっちゃ良かったです！！思わず涙がでてしまいました...。ゼットいいお父さん。ゆーじさんの書くロー超イケメン...。これからも頑張ってください´`* (2017年9月10日 9時) (レス) id: 720530e6d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーじ | 作成日時：2017年5月23日 14時
