傍に、いるよ… ページ23
納まったと思ってもふと胸に痛みが走り、こみあげてくる涙。
ヒュッ、ヒュッと短く吸う息の間に
Aは心の傷を吐き出す。
『いっぱい…ゼット先生を悲し…ませる…事…言っちゃって…』
「父さんだろ」
体が震え、全てがあまりに頼りなかった。
こんな体と心で放っておけば、海に身を投げてしまいそうなAの背をさするロー。
『海軍が…憎い…全部壊すって…能力…返してって…』
ローと似たAの能力は強力だ。
視野に入る物、空気さえ圧縮し窒息死も、圧迫死もさせてしまう。
寿命を削る能力をゼファーは封印したくなる気持ちがローにも分かる。
「折角会えたのに、喧嘩してどうする」
『反省…したけど…もう…会えないの…かなあ…』
魂とその最愛の人を会わせる事がこんなにも危険だとは思わなかった。
生存率６０％なんて本当に暫定的な数字。
実質５１％も満たないクラニオ島に行くのは…ローも躊躇う。
だがコラさんと会話を出来るのはあの島だけ…。
「想えばそこに居ると言ってただろう、信じねェのか？」
『……信じたい』
「Aの父さんだろ、嘘は言わねェだろ」
『ありがとう…ロー…』
会いたい
会いたくて仕方ない
今だってその声を聞きたい
.
ここにいる
いつだって
心の中にも
その隣にも
.
虹の橋
病や怪我、年齢、不自由な体は全てを取り戻す
満たされた体になり走り、歌い、喜びに溢れる
唯一足りないのは特別な誰かが居ないこと
長い時
その誰かを待つ体は喜びに溢れ魂は打ち震える
あなたを見つけたからもう離れはしないと誓う
幸福の光と祝福の声に囲まれ空へと向かう魂達
.
『…会いたい…お父さん…』
ああ、ここに居るとも
「会いてェな…」
おうっ、ここに居るぜっ！
『ねえ、馬鹿げてるかもだけど…』
「いいんじゃねェか、きっと喜ぶ」
ありがとうA…
ははは…泣かせてくれるな…
相変わらずお前は優しいな
愛してるぜっ！ ロー！！
テーブルに置かれた４つのグラス
シェリー酒を同じ量注いでいく
『…みんなで…かんぱい』
「ああ…乾杯」
乾杯だ
グズッ…おうっ！ かんぱー…うおっ！？
ロシナンテ…
こんな時くらい静かに出来んのか？
すみませんゼファー先生…
俺、嬉しくってもう…
.
ゼファーとロシナンテ。
自分の為に用意してくれた酒を
大切に宝物でも見る様に眺めた。
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ももか - １の後半から涙が止まらなかった、素敵な作品をありがとうございます! (2022年10月21日 0時) (
レス) @page24 id: ac673f01f1 (このIDを非表示/違反報告)
ももか - １の後半から涙が止まらなかった、素敵な作品をありがとうございます! (2022年10月21日 0時) (レス) @page24 id: ac673f01f1 (このIDを非表示/違反報告)
蘭々(プロフ) - 最期泣きました。この作品に辿り着けて本当に良かったです。ありがとうございます。 (2021年9月11日 13時) (レス) id: f3d7422dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - エリカさん» 作品を読んで感想までくれて嬉しいです！！ありがとうございます！！ゼファー本当に男…！！こんなおっさんになりたいです！作者様なのですね！？しかも殿堂作者様…！！寝る前にガッツリ読ませてください！！ ああもう楽しみ過ぎるー！！ありがとうございます！！ (2017年9月11日 20時) (レス) id: f6a5d4b00c (このIDを非表示/違反報告)
エリカ(プロフ) - めっちゃ良かったです！！思わず涙がでてしまいました...。ゼットいいお父さん。ゆーじさんの書くロー超イケメン...。これからも頑張ってください´`* (2017年9月10日 9時) (レス) id: 720530e6d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーじ | 作成日時：2017年5月23日 14時
