逢いたかった人 ページ11
霧は次第に晴れローとAの体は自由になってきた。
上陸の楽しみと少々の不安。
「船の揺れが和らいできたな」
『本当にとぐろを巻くみたいに島に近寄ってたんだね』
スピードも落ちて、まるで何かに誘導される様に進む船。
「船長ー！ 島が見えてきたっスー！！」
シャチの声で操舵室に向かう２人。
「…何だ、普通の島じゃねェか」
「人がいる気配はないよー」
ベポの言う通り、人は居ないだろう。
何せ浅瀬に座礁している船はボロボロでそうとう古い。
巧みに船の残骸を避け上陸出来そうな岩場に船を寄せる。
無人の船に旗だけひらひらと風に揺れる姿は何とも不気味だった。
岩場の中央には洞窟らしきものが１つだけ。
下船して様子を見てみると、そこら中に骨だけとなった人の姿が数え切れない程あった。
『服だけ見れば最近のから、相当前に来た人達だね』
「呪われる！ 近寄るなって！！」
「それより時間を合わせろ、何があっても６時間後にはここに集まれ」
島に到着したのは２１時少し前。
朝の４時には出航しなければならない。
全員でまとまって洞窟に近寄れば大きな穴。
「真っ暗だな」
ローを先頭にA、ペンギン、シャチ、ベポで中に入ってゆく。
目が慣れればゼロ視界にならない当たり、この岩は何らかの鉱石である可能性が高い。
『あっ、何か…蟻の巣みたいに小部屋が幾つもあるよ』
行き当たりの中央で立ち止まると
周りには確かに１人入れる空間が幾つもある。
『入れって事だよね？ 私ここー』
「おい、１人で入るな」
『だって１人しか入れないよ？』
「大きい穴を見つけて２人１組で入れ」
『なら１人余るじゃない？ 私ここ１人で入るー』
折れるのはロー。
シャチとベポは怖がりゆえ、平気なローとペンギンと組まないと何をするか分からない。
「何かあったら大声だせ」
『はーい』
Aが穴に入った瞬間に上から岩の壁がドンッと落ちてきて完全に姿が見えなくなった。
「A聞こえるか」
『聞きずらいけど何とかー壁一面薄く発光してるから真っ暗ではないよ』
「時間が惜しい、俺達も中に入ってみる、じゃァな」
『うん！』
ローとシャチ、
ペンギンとベポは比較的広い穴に入ればやはりドンッと岩の壁に閉じ込められた。
１時間もしない内にAがその現象を目にする事になった。
亡きゼファー教官が生前そのままの姿でAに微笑んでいた。
会いたくて
逢いたくて仕方なかった人物。
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ももか - １の後半から涙が止まらなかった、素敵な作品をありがとうございます! (2022年10月21日 0時) (
レス) @page24 id: ac673f01f1 (このIDを非表示/違反報告)
ももか - １の後半から涙が止まらなかった、素敵な作品をありがとうございます! (2022年10月21日 0時) (レス) @page24 id: ac673f01f1 (このIDを非表示/違反報告)
蘭々(プロフ) - 最期泣きました。この作品に辿り着けて本当に良かったです。ありがとうございます。 (2021年9月11日 13時) (レス) id: f3d7422dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - エリカさん» 作品を読んで感想までくれて嬉しいです！！ありがとうございます！！ゼファー本当に男…！！こんなおっさんになりたいです！作者様なのですね！？しかも殿堂作者様…！！寝る前にガッツリ読ませてください！！ ああもう楽しみ過ぎるー！！ありがとうございます！！ (2017年9月11日 20時) (レス) id: f6a5d4b00c (このIDを非表示/違反報告)
エリカ(プロフ) - めっちゃ良かったです！！思わず涙がでてしまいました...。ゼットいいお父さん。ゆーじさんの書くロー超イケメン...。これからも頑張ってください´`* (2017年9月10日 9時) (レス) id: 720530e6d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーじ | 作成日時：2017年5月23日 14時
