出逢った頃のように【S.O/ars】 (ページ3)

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資料室から部署へ戻り、バッグの中から財布を取り出す

｢あっれ…携帯…｣

ミ｢Aさんランチですか？｣

｢うん、で携帯取りに来たんだけど見つからなくて…
あれ…家に忘れたのかな…｣

ミ｢あたし鳴らしましょうか？｣

｢ありがとう！助かる！｣

後輩のミーちゃんは優しく微笑むと、可愛らしいケースに納められた華奢なスマホを取り出してから、あたしの携帯に電話をかけてくれた

ミ｢鳴ってます？｣

｢いや…やっぱり忘れたのかな…｣

？『…あい』

ミ｢あっ…あの…｣

｢えっ？誰か出たの？あたし代わっていい？｣

ミ｢あっ、はい｣

？『…もしもし…？』

｢すみません、その携帯の持ち主なんですが｣

？『あぁ、はい』

｢失礼ですけど…どちら様でしょうか？｣

？『あ、大野です』

｢大野さん…？｣

？『はい、大野です』

｢あの…その携帯はどこで？｣

？『あ、拾いました。道で』

｢道…道…あぁっ！！ぶつかった時だ！！｣

？『おわっ…ビビった…』

｢あ、大きい声出してすみません！｣

？『だいじょぶ…です』

｢あー、そしたら、取りに伺うのでよろしければそちらの場所を教えて頂いてもいいですか？｣

？『えっと…それはちょっと…』

｢ご都合悪いですか…どうしよっかな…｣

？『したら、お巡りさんに届けます』

｢へっ？｣

？『だって…落とし物はお巡りさんに届けるもんでしょ？』

｢あぁ…えぇまぁ｣

？『んじゃ、日テレ近くの交番に届けとくんで。じゃあ』

｢えっ？あのっ……切れた…｣