｢我が身を通せよ｣ ページ35
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[また来てくれたんやなぁ！]
｢やあ、｢我が身を通せよ｣。また来たぞ｣
目の前の少年は人形である。
陶器の肌は以前触らせてもらったら何とも言えずひんやりしていてすべすべだった。
夢中になって腕をさすっていたら流石に嫌がられてしまったが、何だかんだ来る度に許してくれるので今日も触らせてもらおう。
[お姉さんが来てくれるからあんま寂しくないわ]
恐らく無邪気に笑っている。
恐らく、というのは彼の顔の前には天と書かれた雑面が垂れており、表情の確認が困難だからだ。
｢我が身を通せよ｣からこちらを見る際に支障はないらしく、｢今日は恥ずかしがり屋｣のE.G.Oを付けて訪れた日は酷く怯えられて作業どころではなかった。
彼が収容室に備え付けられたソファに座ると、陶器の肌が擦れてきいきいと鳴いた。
[今日は何しに来たん？]
｢今日は観測がてらお喋りをしに。あとは君を撫でに来た｣
隣に腰掛けるとふわふわのソファが僅かに沈んだ。
私はこのソファが職員のベッド2台分よりも高いことを知っている。
｢最近はどうだ？嫌なことをされたりしていない？｣
[全く無いで！]
彼が差し出すホワイトボードに浮かぶ文字列は彼の意思そのものだ。
声帯を持たない人形である彼の為に与えたそれはお気に入りとして大事に使われている。
｢それは良かった。……じゃあ、君が何者であるか探ってみようか｣
[俺？]
｢O-05-37-Zという識別番号を得て、 ｢我が身を通せよ｣という通称を与えられた君がどこへ行く者なのかを定めるんだ｣
[どこにも行かへんよ]
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志摩(プロフ) - H2Oさん» H2Oさん、閲覧ありがとうございます。アブノーマリティの設定はめちゃくちゃ悩んだので褒めて頂けて嬉しいです。更新頑張ります。 (2019年7月16日 8時) (
レス) id: 4b0ab5b92a (このIDを非表示/違反報告)
H2O(プロフ) - コメント失礼します。このパロディとても好きです。待っていました。各アブノーマリティの設定も凝っていて、読んでいて世界観に飲み込まれました。これからの更新楽しみにしております。 (2019年7月16日 7時) (レス) id: e433076a9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：志摩 | 作成日時：2019年7月11日 0時
