Special2-1 syp ページ25
sypルートです
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我々国は春を迎え、花々に囲まれて結婚した幹部2人への祝いも程々に城を飛び出してきてしまった。仕事は恐らくゾムさんが何とかしてくれるだろうが、城下の人々は新婦から花束を受け取るや否やバルコニーを飛び出した俺をどう思っただろうか。
｢兄ちゃん、街に着いたぜ｣
｢ッス｣
ここは海を越えた西の島国。東端の港から西端の港街まで行くという荷馬車に間借りし、いつもなら忍び込んで情報を盗みに来る国の中心に目もくれずやってきた。荷馬車から荷物を下ろすと彼らは商いに向かう。
｢……花の港、常春の街｣
紫色のカードに記されたその文言は確かにこの地を指し示していた。几帳面そうなその字に顔が緩みそうになるが、この街でそんな顔をしようものならあっという間に身ぐるみ剥がされて売られることとなる。
｢おやお兄さん、いい男だねぇ。ウチに寄っていかないかい？｣
昼間だというのに賑わいを見せるこの街は春をひさぐ花魁がひしめく、所謂花街と言われる場所である。常春、花、そんなキーワードが共通する街を俺はここしか知らない。だからこそここに駆けつけたのだが……女性であるAが花街にいる意味を想像するだけで吐き気がする。
そうでないことはもちろん祈っているが、もしもの場合はいくら払ってでも彼女の手を握ってこの街を出ると決めていた。
｢よぅそこの兄ちゃん、ちょっとウチに寄っていかないか？｣
｢私を買わないかい？天国まで連れて行ってあげよう｣
やかましい、の一言に尽きる。Aはこの街にいることしか分かっていない。この街のどこにいるのかは自力で探さなければならないのだが、騒々しいキャッチにことある事に声をかけられる。時には腕に絡みついてくるような女もいて、クソ先輩なら大喜びで着いていくんだろうなと思った。
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旱(プロフ) - 占いツクールでまさかこんな素敵な作品に出会えるとは思いませんでした…話もちゃんとしていて楽しく読ませていただきました。魅入る者を作った作者さんと同一人物だったとは…素直に高評価です。 (2019年7月24日 12時) (
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作者名：志摩 | 作成日時：2019年5月26日 19時
