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翌日、部屋に招き入れた海斗は案の定不機嫌だった。
会いたくはなかったけれど、拒むような理由もない。
いつもとは明らかに違う雰囲気に、お互い無言。
彼に至っては、こちらに目を向けようともしなかった。
ソファに座って思いつめたような表情。
「なにか飲む？」
『大丈夫、ありがと』
「そう…」
『昨日ミカ先輩が』
「…」
『泣きついてきたけど、なんかあった？』
あの後、海斗に連絡したんだ。
そうだよね、だから私は無意識のうちに、うみを。
『何言ったんだよ』
「いやなにも…ただお話しただけ」
『思い出したくもないようなことって言われたんだけど、何を言ったらそうなんの』
海斗の声が苛立ちを含む。
いい加減な態度はやめてって、私は確かにそう言った。
でも、それが思い出したくもないような言葉なはずはなく。
記憶を呼び起こそうとしても、思い当たる節は無い。
『すごく傷ついてたんだよ。俺、お前のことそんな奴だと思わなかったわ』
「私は、ただ海斗が心配で」
『…それって何？同情？』
イライラしたように頭を掻いた。
問い詰めるような厳しい口調に、心臓がぎゅっと掴まれる。
『元カレとのことだって、まだ答えを出せてないだけなんだよ。わざわざキツイこと言う必要あった？』
完全に先輩の話を信じきっているようだった。
たぶん今何を言っても、言い訳にしかならない。
ふっと笑った声が冷たくて。
『そうだ、あと。練習終わり海人とAが二人で帰るの見たって』
「海人？」
その名を口にすると、今日初めてこちらに目を向けた。
海斗が傷ついたような表情をするのはなぜ。
『昨日夜電話したのになんで出なかった？』
「ちょっと、友達の家に居て」
目を合わせていられなくなって、今度は私が逸らした。
あからさまに怪しい態度を取ってしまった。
いや、もしかして全部、分かっている？
私が海斗と先輩の異変に気が付いたように、海斗も私とうみに何があったか気が付いているの？
ふと思い出した。
『Aが目を合わせないで首の後ろをさわったら、それは嘘をついている時』
以前にそう言われたこと。
慌ててぱっと手を戻し、海斗の方を見ると。
もう既に、私ではない何か遠くを見つめている。
『A、最後に質問いい？』
「…、」
低くて感情の抑えられた声。
『海人としたの？』
ナイフでずぶりと刺されたような感覚になった。
あぁ、私は取り返しのつかないことをしてしまった。
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N11(プロフ) - maminaさん» 初めまして、コメントありがとうございます。揺らぎからですか！引き続き読んでくださっているようで、感謝しかありません。こちらの不手際でご迷惑をお掛けいたしました！公開しましたので是非ご覧ください。 (2021年3月7日 22時) (
レス) id: f61069127a (このIDを非表示/違反報告)
N11(プロフ) - あさん» 初めまして、コメントありがとうございます。こちらの不手際でご迷惑をお掛けいたしました！公開しましたので是非ご覧ください。 (2021年3月7日 22時) (レス) id: f61069127a (このIDを非表示/違反報告)
N11(プロフ) - キさん» 初めまして、コメントありがとうございます。泣きそうになりながらなんて…！とても嬉しいです。こちらの不手際でご迷惑をお掛けいたしました。公開しましたので是非ご覧ください。 (2021年3月7日 22時) (レス) id: f61069127a (このIDを非表示/違反報告)
mamina(プロフ) - 初めまして。揺らぎから大好きでLost&Foundも毎回楽しみに読んでました。#2に続いてまつくのダークサイドみれるのかと思ってドキドキです！宜しければパスワードを教えて頂きたいです。宜しくお願いします。 (2021年3月7日 21時) (レス) id: 9fd2043a8e (このIDを非表示/違反報告)
あ - 初めまして！最近からLost & Found読ませていただいています！よろしかったら#2のパスワードを教えて頂きたいです。 (2021年3月7日 20時) (レス) id: 89732c56da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：N11 | 作成日時：2021年2月12日 0時
