Under/Wonder

◆用語解説 ページ2

◇現実世界(スモールワールド)
　人々が生きる表の世界。主に地球。
　時代は現代で、地理も歴史も世界情勢も、我々が生きている世界と異なるところはない。


◇底辺層(ワンダーランド)
　この世に生まれた全ての『希望』の廃棄場。現実世界の裏側、そして深い深い底に存在する。忘れ去られた夢、歪みきった愛、踏みにじられた思い出が捨てられている。
　たとえ人々が希望を忘れようとも、希望は願いを叶えようと独り歩きする。それらが溢れぬよう、世界の均衡を保つ為に生まれた世界である。

　廃棄場なだけあって世界観はかなり歪である。「ワンダーランド」と名付けられた通り、不思議な植物や奇っ怪な生き物、意味不明な建造物ばかりだが、おとぎ話にでてくる素敵な世界ではなく、それを裏切る不気味さや退廃した空気が蔓延した、まさに底辺層である。底辺層の花や果実には容易に触れない方が身のためだろう。体が大きくなったり、小さくなったりしてしまう不思議な効果のあるものもあるからだ。
　底辺層には度々現実世界の物が落ちてくることもあり、スマートフォンは普及していないものの、かなり旧式のガラケーやパソコンは存在している。また、現実世界で読まれていた本や漫画、洋服もあり、それらが“住人”たちの生活の中心となっているようだ。

　「ミセス・メトロポリス」と呼ばれる都市が中心となっている。メトロポリスの中央には歪な白い城がそびえ立っており、メトロポリスを治める女王、「マザー」が住んでいる。


◇穴(ラビット・ホール)
　しばしば現実世界に現れる“穴”。捨て去られた『希望』を回収するためのものと考えられている。これに落ちた現実世界の人間が、時々底辺層まで堕ちてくることがある。
　とはいえ、本当に現実世界に現れているのかは定かではない。何故なら、底辺層まで堕ちてきた“堕落者”達は、口を揃えて「穴に落ちる夢を見て、目が覚めたらここにいた」と言うからである。


◇堕落者(アリス)
　現実世界から落ちてきた人間の総称。どうして人間である彼らが堕ちてくるのかは不明である。
　“住人”たちと違い、元々そうであるように、老い、怪我をし、死ぬ。堕落者たちも、住人にたちと同様に、“裁判官”たちから命を狙われている。
　底辺層から現実世界へ帰りたいものもいれば、底辺層で生きていこうと考えているものもいる。なお、現実世界への帰り方は不明である。

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