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「界人〜…よしよし、かわいいなぁ〜」
「んー…なんか俺の思ってた反応とちがうんだけどー」
「えっ、どんな反応すれば良かったの?」
最近切って少しスッキリした黒髪をわしゃわしゃと撫でてやるとまたしても不満そうに唇を尖らせていた。えー…?ちがうの?
「えっ、うれしい!きゅん!みたいなさぁ〜」
「えぇー」
「えぇーじゃないのー」
撫でていた手を握り込まれ、赤いままの界人の顔が近付いてきた。そのままキスでもされるのかなと目を瞑ってみると、思ってもみない場所に唇が触れる感触。
「…Aさん、シャンプーのめちゃくちゃいい匂いする…」
「ひっ…くすぐったい…っ」
「んん、」
「ちょ、まっ…」
首筋をぺろりと舐められ思わず肩を揺らしてしまう。くすぐったくて肩を押し返そうとしても、酔っ払いのくせに全く力では敵わない。気付いたら隣り合って座っていたはずのソファーに背中から沈み込んでいた。
「…くすぐったいだけ?ここ気持ちよくない…?」
「ひゃっ…、も、かいと…っ」
お風呂上がりでTシャツしか着ていなかったせいで素肌の脇腹を撫でられてるだけでも既にめちゃくちゃくすぐったいのに、目の前の酔っ払いは何を思ったのか耳朶に噛み付いてきた。甘噛みだけど。
「あ〜…まじでAさんかわいい〜…」
耳元でチュッチュッと音を立てられればさっきまでの私の余裕は何処へやらで、だんだん自分の顔に熱が集まるのがわかる。もう自分の声が良いことと私が界人の声が好きなことを自覚してるから本当にタチが悪い…。
「…ねぇーあいたかったの、俺だけ?」
「…え、」
「Aさんはぁ、…おれの顔見れてうれしくないの?」
ねぇもう発言めちゃくちゃかわいいのに、手が悪さしてますよお兄さん。履いてた部屋着のショートパンツを少しずらされ、更に腰周りを撫でられている。ええと、ええと。
「…うれしいけどっ」
「けどなによー」
「…手が、わるさしてる…っ」
「あー…、」
明日の予定とか界人を早く寝かさなきゃとか色んなことが頭に過ったけど、だめ?と耳元で囁かれてしまうと、もう勝てるわけなかった。
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あゆ - 私の方こそ、になさんに出会えて界人君や声優さんの素晴らしさに気付けて更に好きになって感謝の気持ちでいっぱいです(;_;)私の言葉で少しでもになさんの癒しになっていたのなら良かったです♪短編やスピンオフも引き続き応援させてくださいっ!(*´ο`*) (2020年9月25日 11時) (レス) id: 0d45e1a57e (このIDを非表示/違反報告)
にな(プロフ) - きらさん» きら様ご感想ありがとうございます(*´˘`*)口調なども自分なりの部分も多く勉強不足な所もあるかと思いますがそう言っていただけて本当に嬉しいです(;_;)またお暇な時に短編等覗いていただけますと大変喜びます!今まで読んでいただいて本当にありがとうございました! (2020年9月23日 9時) (レス) id: 40e06de20d (このIDを非表示/違反報告)
にな(プロフ) - あゆさん» 少し長くなってしまって申し訳ございません。こちらこそあゆ様のコメントに癒されて応援してもらっておりました!本当にありがとうございました! (2020年9月23日 9時) (レス) id: 40e06de20d (このIDを非表示/違反報告)
にな(プロフ) - あゆさん» あゆ様こんにちは!ご感想ありがとうございます!連載初期からあたたかい応援をいただいていて、感謝してもしきれません。本当にありがとうございます(*´˘`*)お暇な時にでも短編等覗いていただけると喜びます!大ファンだなんて嬉しいお言葉ありがとうございます(;_;) (2020年9月23日 9時) (レス) id: 40e06de20d (このIDを非表示/違反報告)
きら(プロフ) - 完結おめでとうございます!界人くんの小説無いんだなと思っていたときにこの小説を見つけてずっと読ませていただいてました!界人くんや他の声優さんたちの話し方なども忠実で、ストーリーもとても素敵でした!完結寂しいですが、短編集などの更新も楽しみにしてます! (2020年9月22日 22時) (レス) id: 402860d582 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にな | 作成日時:2020年6月18日 8時