【Q.K】この可能性を求めよ(仮) part.2 (ページ2)

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大人と夢幻の夢ページ2

『将来、こんな風になれたなら。
そう思ったことって、沢山ない？』

「…あるよ。
今だってこの会社、もっと大きくさせてーなって思ってる」

『流石だね…』
と苦笑いする。真剣なのはひしひしと伝わってくるけど。

彼が言ったのは当然のことだけど
凄くて、儚くて、難しいこと。

それをはっきり口に出せるのが、彼を褒めてあげられるところだろう。

『昔は、ありのままでのんびり暮らせる自分を夢見たな。』

「叶った？」

『うん、サッカーとクイズに夢中な少年に勉強を教えた時から。
本当に自覚できたのは最近だけど。』
彼に支えてもらったのは事実だった。

泣いたときも、勉強したときも。
彼と一緒だからめげることなく、ここにいる。

そう感じたのがごく最近ということに申し訳なさを感じる。

「少しでもお前を救えてた？」
ほら、私のことばかり考える。

『うん。』

『あと、幸せになりたいって思った。
そりゃ、十分今だって幸せだけどさぁ。それ以上の幸せがあったりするし。

「これ以上ないほどの幸せ」じゃなくて、
「今までで最高の幸せ」が続いていく、際限ないものでさ。』

「なんかいい言葉並べやがって」

『本当に思ってること呟いただけなんだけど』

…半泣きの方かよ

「いやぁ、良かった。Aが笑ってくれるだけで俺は嬉しいよ。」

『なに、親？シスコンのお兄さんだったりする？』
思うままに口にする。

「一言だけでそんなに言う？」と苦笑いする彼と、その言葉に笑う私。

どれだけ自分を変えても、
どうやら毒舌だけは変わらないみたいだ。