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結局計算式から全部やり直して、資料をもう一度作り直せた頃にはオフィスには誰もいなくなっていた。

あとはプリントアウトした資料を10部ずつコピーして、ホッチキスで止めれば終わりだ。

ちょうど二階堂くんから電話がかかってきた。

「Aさん、本っ当にすみませんでした」

「大丈夫だよ。先方はなんて?」

「平謝りしたらなんとか…月曜日の朝イチに直した資料持っていけば大丈夫だそうです」

「よかった。二階堂くんの誠意が伝わったんだよ」

「Aさんが行けって言ってくれたからです。
俺今から戻って資料作り手伝います」

「もう終わって私も帰るから」

「そうですか…今度改めてお礼させてください」

「いいよそんなの」

恐縮してる二階堂くんに、気にしないよう念を押して電話を切った。

時計を見たら21時を過ぎてる。

駅に直結してる本屋さんなら22時まで開いてたはず。

急いで終わらそう。



「…やっぱりまだいた」

声が聞こえて振り向くと、そこには藤ヶ谷くんがいた。

「藤ヶ谷くん?」

「すみませんでした」

突然藤ヶ谷くんが頭を下げる。

「え?何が?」

「ニカからミスしてたって電話がかかってきたんです。でも俺出先でどうしようもなくて。
Aさんに頼めば資料作り直してくれるからって勝手にニカに言っちゃって」

そういえば藤ヶ谷くんは二階堂くんの指導係だったっけ。

「ああ、そうなんだ。もうできたし全然大丈夫」

今徳を積んでるキャンペーン中だし。

「今通りかかったら、電気がついてたからもしかしてって思って。こんな遅くまですみません」

「もう終わるから。ほんと気にしないで」


コピー機から出力されている資料を手にとる。

「すごい見やすくなってるし…
これホッチキスで止めていくんですよね?
手伝います」

「いいよ、10部だけだしすぐ終わるから」

「二人でやった方がもっとすぐ終わりますよ」


私が返事をする前にスーツの上着を脱ぐと、シャツを肘のあたりまでめくった藤ヶ谷くんが隣の椅子にすとん、と座る。


私が組んでいった資料を、藤ヶ谷くんが揃えてホッチキスでぱちんぱちんと止めていく。


ほどよく日に焼けて、ほどよく筋肉質の腕が目に入って、私はなんとなく目をそらした。

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設定タグ:藤ヶ谷太輔 , キスマイ , Kis-My-Ft2   
作品ジャンル:恋愛
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ニイナ(プロフ) - keiさん» keiちゃん🥰お返事遅くなりごめんよ🙏この章で終わりたかったのだけど残りの話数気にしながら書きたくないなと思って移行することにしたよ★そうなんよ、相手に言われるとダメージ違う…ニカちゃんはできる子です😂2章もうちょこっと待っててね♪ (2022年1月16日 17時) (レス) id: 9453ebaee9 (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - ニイナちゃーん!この章で終わりかと思ったから移行するの嬉しい♪自分から断るのと相手に言われるのじゃダメージ違うよね😅これはかなりきつい!でも理由があってたいぴも言ったんだろうし続き気になる〜!そしてすぐ部屋から出ていくニカちゃん出来る子ね✨ (2022年1月11日 23時) (レス) @page41 id: ab1b9c5f30 (このIDを非表示/違反報告)
ニイナ(プロフ) - モナさん» モナさん、明けましておめでとうございます!お年玉にしてはちょっと展開があんまりキュンしないのですが😂こちらこそ今年もお世話になる気まんまんです!←? お、モナさんは彼女ちょっと気づいていたのかな?私の中でユータは天使です😇笑 (2022年1月7日 10時) (レス) id: 9453ebaee9 (このIDを非表示/違反報告)
ニイナ(プロフ) - あこさん» ひゃーあこさん!お久しぶりです、明けましておめでとうございます!年明けからあこさんに読んでもらえて私こそハッピー🥳最後まで楽しんでもらえますように!こちらこそ今年もよろしくお願いします💓 (2022年1月7日 10時) (レス) id: 9453ebaee9 (このIDを非表示/違反報告)
モナ(プロフ) - おめでとうございます!新年早々のニイナさん、嬉しいです!私のお年玉です。今年もお世話にならせていただきます!彼女、私もあの子知ってるー、と思いました!完全にユータより藤ヶ谷くんにいっちゃったねー。私はやっぱりユータ!王子はユータですよねーww (2022年1月2日 11時) (レス) id: d7411c7027 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ニイナ | 作成日時:2021年11月6日 21時

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