23. ページ23
「あ、このマンションなの」
「そっか。じゃあここで…」
って藤ヶ谷くんが言ったタイミングで、私のお腹がぐうーって鳴る。
は、恥ずかしい。
お昼ほとんど食べてないから。
「はは。良かった、食欲もあるみたいで。
あ、何か食べに行く？」
「昨日のカレーがあるから」
「え！二日目のカレー！」
「……もし良かったら食べて行く？打ち合わせもできるし」
また会社の近くで二人でご飯食べたりしてて、誰かに見つかったらその方がややこしいし。
「…いいの？」
「いいよ。あ、襲ったりしないから大丈夫だよ」
私がそう言うと、藤ヶ谷くんが一瞬きょとん、としたあと吹き出した。
「いやそれ。俺が言うセリフだよ」
「とって食われそうで怖いかなと思って」
「そんな訳ないし」
そのあともツボに入ったみたいで笑ってる。
「お邪魔しまーす」
部屋に入ってきた藤ヶ谷くんが、きょろきょろしてる。
「きれいにしてるね」
「物が少ないだけだよ」
カレーをあっためにキッチンに行って、簡単にサラダも作っていると。
テレビの前のソファに座ろうとした藤ヶ谷くんが、隣の棚に目を止めて、そっちに歩いていくのが見えた。
あ！あ！
男の人家に来るのなんて久しぶりすぎて忘れてた！
そこはキスミーのCDやDVDやライブのグッズや、ユウタの写真や雑誌を並べて飾っている棚だった。
今さら片付けられないし、諦めてカレーのお鍋を混ぜ続ける。
藤ヶ谷くんはCDを手に取って眺めると、感心したように呟いた。
「本当に好き、なんだね」
「だから本気のオタクなんだってば」
「でも嬉しいんじゃない？ユウタだって。
そこまで好きになってもらえて、応援してもらえたら」
「そうかな。
でも私はもらってるものの方が多いよ」
「もらってるもの？」
「見たら元気になるし、笑顔になれるし。
それで頑張ろうって思えたり、幸せだなって思えたり」
は！
何オタクな気持ちを語っている、私！
我に返って、藤ヶ谷くんを恐る恐る見ると。
藤ヶ谷くんは、びっくりするくらい優しい声で、そっか、って呟いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 552人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ニイナ(プロフ) - keiさん» keiちゃん🥰お返事遅くなりごめんよ🙏この章で終わりたかったのだけど残りの話数気にしながら書きたくないなと思って移行することにしたよ★そうなんよ、相手に言われるとダメージ違う…ニカちゃんはできる子です😂2章もうちょこっと待っててね♪ (2022年1月16日 17時) (
レス) id: 9453ebaee9 (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - ニイナちゃーん！この章で終わりかと思ったから移行するの嬉しい♪自分から断るのと相手に言われるのじゃダメージ違うよね😅これはかなりきつい！でも理由があってたいぴも言ったんだろうし続き気になる〜！そしてすぐ部屋から出ていくニカちゃん出来る子ね✨ (2022年1月11日 23時) (レス) @page41 id: ab1b9c5f30 (このIDを非表示/違反報告)
ニイナ(プロフ) - モナさん» モナさん、明けましておめでとうございます！お年玉にしてはちょっと展開があんまりキュンしないのですが😂こちらこそ今年もお世話になる気まんまんです！←？ お、モナさんは彼女ちょっと気づいていたのかな？私の中でユータは天使です😇笑 (2022年1月7日 10時) (レス) id: 9453ebaee9 (このIDを非表示/違反報告)
ニイナ(プロフ) - あこさん» ひゃーあこさん！お久しぶりです、明けましておめでとうございます！年明けからあこさんに読んでもらえて私こそハッピー🥳最後まで楽しんでもらえますように！こちらこそ今年もよろしくお願いします💓 (2022年1月7日 10時) (レス) id: 9453ebaee9 (このIDを非表示/違反報告)
モナ(プロフ) - おめでとうございます！新年早々のニイナさん、嬉しいです！私のお年玉です。今年もお世話にならせていただきます！彼女、私もあの子知ってるー、と思いました！完全にユータより藤ヶ谷くんにいっちゃったねー。私はやっぱりユータ！王子はユータですよねーww (2022年1月2日 11時) (レス) id: d7411c7027 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ニイナ
| 作成日時：2021年11月6日 21時
