ロンリーオンリーパラダイス

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家に着いたころ、ラーメン食べてる時にこれからはDMよりLINEでやり取りしよって言われたみっくんから、初めてLINEがきた。

『家着いた？』

『着いたよ』

『さっきの最後の話気になるわ』

『変な話してごめん。
来週の金曜日1日だけの話で』

『1日限定で爆モテ後輩の彼女のフリすんだ？』

『そう』

『ふーん』

そのあと特に何も来なかったから、おやすみなさい、って寝てる猫のスタンプを送った。




・




週明けの月曜日。

今日は舞台の当落だった。

仕事中だからスマホばかり気にする訳にいかないし、そわそわしながらもなんとか仕事をこなす。

昼休みに一つ深呼吸して、確認すると。

「落選」の二文字が目に飛び込んできた。

「ああー…駄目だったかあ」

がっくりしながら、お弁当を取り出してため息をついていると。


「今日もお弁当なんだ」


藤ヶ谷くんにのぞきこまれた。


「……食べる？」

「え？！何で？」

「食欲ない」

「どうしたの？体調悪い？」

真剣に心配してくれる藤ヶ谷くん。

しかも藤ヶ谷くんが手配してくれたから1回は行けるわけだし、舞台のチケット取れなくて、とは言えず。

「ちょっと、そのー、頭痛がして」

曖昧に笑う私のおでこに、ためらいなく手をのせるから、どくん、って心臓が跳ねた。


「んー…確かにちょっと熱いかな」


「あ！でも大したことないから」

「駄目だよ、医務室行こう」

「わ、わかった。行ってくる」

「一緒に行くよ」

「大丈夫だから」


そこに桐谷さんが通りかかった。

「藤ヶ谷さんどうかしました？」

「Aさんが体調悪いみたいだから医務室に連れて行こうと思って」

「あ、えっと。大したことないし。行くなら一人で行くから」

私と藤ヶ谷くんを交互に見た桐谷さんが、口を開く。

「じゃあ私が一緒に行きますよ」

「いや、でも」

藤ヶ谷くんが何か言おうとしたのを桐谷さんが遮る。

「体調悪い時は同性の方が気楽でいいんですよ」

「…そっか。じゃあお願いしようかな」


桐谷さんに腕を組むように取られて、オフィスを出て医務室に向かおうとするから、立ち止まる。

「あ、あの。本当に大したことないから。一人で大丈夫です」

「Aさんって藤ヶ谷さんのこと好きなんですか？」

「す？！え？！いやいや、まさか」

「最近なんだか妙に藤ヶ谷さんと一緒にいません？」

「そ、そう？気のせいですよ」


桐谷さんの視線が鋭くて、私は目をそらした。

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