四十六話 ページ1
雪兎「Aは、赤ん坊の時に捨てられたんだよ」
部屋で、日輪刀の手入れをしていると急に雪兎が口を開いた
“捨てられた”その言葉に反応してしまう
『何?まだ起きたばかりなんだから寝ててよ』
本当は続きを聞きたいけどこれ以上聞きたくないという気持ちもある
そんな私の心情も知らずに雪兎は話を続ける
雪兎「僕たちの家系は生まれたときにたくさんの家紋が並んだ部屋に入れられる
家の家紋に触れた者はそのまますごせるが他の者は殺されたり、捨てられたり……
まあ、その親による」
雪兎の家は代々続く剣術道場の一家だ
それで、前々から雪兎からしきたりなどが厳しいと聞いていたがそこまでとは思わなかった
雪兎「僕は言わずともだが、オマエは何の興味も示さなかったらしい
普通は、たくさんの家紋で埋め尽くされていて何かしら反応するのに何もしない
オマエは気味の悪い子供という対象になったんだよ」
『それで、私は捨てられたってわけか』
気味の悪い子供、どうやら私はどの場所でもそういう対象らしい
雪兎「いや、最初はオマエは殺されるはずだった
本家からそういう者が出るのは他に示しがつかないとか言って」
『だったら…………!』
何で…………
何で殺さなかったの…………?
その時殺された方が楽だったのに…………!
そう言いたいのにのどにつっかえて言えなかった
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作者名:ユメたん | 作成日時:2022年8月3日 13時