【合作】―Division Battle―【ヒプマイ】

バレンタイン F.P byLon ページ14

EasyR

「オネーサンっ!!」

にこにこと笑う彼が両手を出す。分かるよね? とでも言いたげにこくりと首をかしげられれば、思わず笑みが溢れてしまって。君には敵わないなぁと思った。

「ちゃんと持ってきてるよ。ほら。」

本命だからね、と彼の手に紙袋を引っ掻ける。奮発して、高いやつを選んだ筈なのに、君は少し不満気な顔。どうして? と訪ねてみたら、何か忘れてない? と返ってきた。

「ボクの誕生日、忘れちゃった? 」

拗ねながら言ってみる。それでも、その手にしっかり紙袋が握られてるもんだから、ちょっと笑っちゃうよね。

「ふふ。勿論、覚えてるに決まってるでしょ? 」

中、見てみてよと続けて。君が取り出したのはディナーのペアチケット。ほんと、今回ばかりは頑張ったんだからね。ちょっとは褒めて欲しいなぁ、なんて、女の子慣れしてる君に言うには少し不似合いかな。

「もー! オネーサン大好き!! ありがとね!!」

「そういって、乱数は色んな女の子からプレゼント貰えるんじゃないの? 」

ぎゅー、と抱きついてくる君は本当に子供みたいだ。その愛らしさはきっと万人に共通で、そんな事を言ってみる。ちゅ、とおでこにキスを落とした君は、もー、と再び不満気な声を上げた。

「…俺が欲しいのはAからだけだっての、馬ー鹿。」

訂正。子供みたいだなんて、格好いい君には、申し訳なかったね。にやり、と笑う君はやっぱり、確かに成人男子だった。

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