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勤務41日目 ページ43

『おはよ、御剣くん』


「……」


『今日も寒いね、体調崩してない?』


何も返ってこない


先輩たちがお手上げになるのも良く分かる


これでは事件のことを聞いても絶対に話してはくれない


「……」


『御剣くん…私ずっと思ってたんだけどさ…肌白いよね…』


事件とは離れたことを話題に出してみる


少しでも、まずは話をしなくては


『どんな美容方法してるの…?ちゃんとご飯食べてる?』


「何を言われると思えば…」


やっと声を聞くことが出来た


ここからどうやって話を続けていこう…



「今回の検事は君なのか」


『…副検事が大きな事件を取り扱うことはほぼないよ…なにより私少年裁判しかやったことないし…』


私が思考を巡らせていると、あちらから話をしてきてくれた


「それなら、なぜここに来たんだ」


『御剣くんが何も話してくれないから、心理士が介入しただけだよ』


笑顔さえ見えない御剣くんの表情


再会してから一度も見ていない


『本当に、御剣くんがやったの…?』


「……」


答えなんて聞きたくなかった


でも、これを聞かないと何も始まらない


「…どう考えるも君の自由だ」


YesともNoとも答えなかった、君がそういうのなら私は…


『じゃあ信じないよ、御剣くんが犯人だなんて…信じるもんか…』


「……」


弁護士でもない私は、この状況から御剣くんを助けることはできない


私にできることは、…



「御心さん、面談中にすみません…面会希望者の方が…」


沈黙を破ったのは看守だった


どうやら今日はここまでみたい


『分かりました…もう少しで終わるので』


そう伝えて、私は自分の名刺を取り出した

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作者名: | 作成日時:2022年1月4日 1時

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