【黒バス】トリップガールと奇跡な amber

堅実少年 は 転生少女 を 見捨てた ！ ▼ ページ9

＊緑間side＊



「む、今日はいないという事か」

「うん。ごめんね急に」

昼休みに入ってすぐに、緑間の席にAがやって来た。

何やら伝えたい事があるとか何とか言ってきたので何事かと思ったが

園芸委員の仕事が混んでいる為に暫く一緒に昼御飯を堪能出来ないらしい。

前々からｷｾｷ達とﾏﾈｰｼﾞｬｰは食堂で昼御飯を共にしてきた。

だから違和感を感じてしまい緑間はﾊｧと溜め息を一つ吐く。

「何故今更、園芸委員の仕事を引き受けたのだよ？園芸委員は今の時期、余り忙しい訳ではないだろう？」

「みっ…緑間くん鋭いね」

「当然だ。人事を尽くしている者に知らない事はない」

秋になる手前。この時期の花壇は段々と物寂しくなっていく一方なのである。

別に過剰に花の世話をする事もなく、かと言って冬の花を新しく育てる事もなく。

Aは少し困った表情をして「てへへ」と後頭部に手をやった。

そんな姿を机の椅子に座りながら見上げて眺めた緑間は、脳内で詮索をかけて原因を炙り出す。

「………………黄瀬か」

目の前の少女がびくんと反応した。

ﾊｧ、と今度は深い溜め息。

「ち、違うよ。確かに黄瀬くんとは近寄りにくい仲だけど、私、副委員長だし、色々仕事押し付けられちゃって」

「ﾊﾞｽｹ部である限り、先生に文句は言える筈だが」

うぐ、となっている。

「これまでもそうして回避して来たのであろう？」

「………」

「大方、皆と過ごす事に抵抗を覚えてしまいどうにか言い訳出来る物事を探した矢先、丁度園芸委員でずっと手をつけていなかった仕事を見つけ

"副委員長なので責任は取らせて頂きます"

等とほざいて逃げ道を作ったに違いはないのだよ」

「………勘が鋭過ぎですよ緑間さん…」

「ふん。」

そんな事だろうと思ったのだよ。

全く、奴等の仲で何があったのは知らんが、合宿の時に不味い事を起こしたのは違いないな。

かと言ってこのままﾏﾈｰｼﾞｬｰの仕事にまで影響が出てしまえば最悪ﾁｰﾑにも響いてしまう事に変わりはない。

こいつと仲がいい大石は何をやっているんだ。

「……部活に支障はないだろうな」

緑間の睨む様な視線にAは"心配ない"と言わんばかりにﾆｺｯと笑った。

「大丈夫！部活に支障が出ない様に昼休み潰して仕事するんだから、問題はないよっ！」



亀山はこんなおしとやかに微笑む様な人間ではなかった筈だ



いつからか、段々とﾁｰﾑﾜｰｸが薄れていっている傾向がある



その原因も…青峰や亀山なのかもしれんな



だが、俺はﾌﾟﾚｰに人事を尽くすのみ



人事を尽くさない奴等の事など、救う余地もないな

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