【黒バス】トリップガールと奇跡な amber

転生少女 は 模倣少年 に 言葉 の 刃 を 受けた ！ ▼ ページ4

＊黄瀬side＊



「聞いちゃったんスよ…Aっちの本心」

膨らんだ月に照らされたAっちの髪は絹の様に輝いていた。

微かに微笑んで、大きな可愛らしい瞳に淡い光を映して、俺を優しく見つめていた

ああ、やっぱ好きだって、思った。

「Aっちは、赤司っちが好きなんスね」





黄瀬もAも、互いに嘘で話を進めていくのは性に合わなかった。

だからこっからの会話は、全て本心である。





「……多分、そうだと思う」

「でも、まだ、片想い、なんスよね？」

「…………」

「……………じゃあ」

ｻｸﾘ、と砂浜に重力がかかる。14年分の重みが砂利に掛かる。

「まだ、希望はあるって、………思っててもいいんスか。」

「…………」

「まだ付き合ってもないのに、Aっちへの気持ち、終わらせたくない。こんなにも好きなのに、こんなにも大好きなのに、終わらせたくない」

「黄瀬くん…」

「いやだ」

いやだ。

Aっち。

"黄瀬くん"って呼ばないで欲しい。

それじゃ皆と一緒じゃないっスか

「涼太って」

「え…」

「涼太って、呼んで」

困らせてる事くらい分かってる。

でも、ただのﾁｰﾑﾒｲﾄなんかで終わりたくない

どうせ朽ちるなら、全てを明かしたその後で。









「ごめんAっち。俺、好きっス」









勇気を出した訳でもない。ただ彼女に俺の全部を預けたかった。

嘘の殻に閉じ籠って恋の死を迎えるなんて嫌だ

そして俺は真正面からの告白をした所為か、我慢していた涙をついに溢し始めた。

「Aっちと一緒に生きたい。沢山の楽しい思い出をくれたから。」

精神がﾎﾞﾛﾎﾞﾛに崩れてしまいそうだった。でも俺は、例えこの場で脳味噌を銃で撃たれても絶対にこれだけは言おうと決めた。

「夢なんかにすがってないで、現実の世界でAっちの隣にいたい」

肉が裂けても、骨が砕けても、唇の動きだけは止められなかった。

「何をやっても"つまらない"ってほざいてた俺に、ﾊﾞｽｹへの道を示してくれたのはAっちだから」

過去の自分を思い出す

「もうあの"風の音"は絶対に耳にしない。もし青峰っちがﾊﾞｽｹに飽きても、今度は俺が道を示してあげるっス」

「！！」

弾かれた様に、Aっちの顔が上がった。

よかった。俺の言葉がAっちに届いた。









「Aっちの最初の彼氏になるのは、俺っスよ！」









そして黄瀬は禁断の言葉を使ってしまった。

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