尊敬の意にグリーンアップル ページ9
「あっ！ 真田先輩、おはようございます！！ 今日も良い天気ですね！」
「む、水野か。おはよう、朝からお前は元気だな」
「いやあ、それほどでも！ 私とて元気なのが取り柄なんで」
水野A束縛系彼氏事件から色々考えた結果、どうやら彼はほぼ毎朝校門前に立っているようなので、私は"毎朝早めに学校へ来て真田先輩に挨拶をする"という新ルールを勝手に自分へ課すことにした。
これは嘘をついてしまった自分への罪滅ぼし、そして現代社会において重宝すべきといっても過言ではないほどの純粋さをもつ真田先輩への尊敬など、色々な意を込めての挨拶だ。
どうしたらあそこまで純粋に生きていけるんだろう。そして私はいつからこんなにも穢れてしまったのだろうか。
私は早めに学校へ来れるようになったし、オマケに真田先輩に顔を覚えてもらえたので、まさにいい事づくめ。我ながら良い案だと思う。
ちょっとした世間話を交わして、「それじゃあまた！」と別れを告げる。
これが普段のテンプレートなのだけど、今日はその型にはハマらない、少しイレギュラーな日のようで。
「おっ、珍しく真田が後輩の女子と話して……ん？」
真田先輩の背後からひょっこり現れたのは、明るい髪をもった少し背の低めな男の人。体感だと私の背丈とほとんど変わらないように思えるけど、実際のところはよくわからない。
唐突に現れたかと思うと今度はガムを膨らませながらこちらを凝視するその人はどう考えても同級生に思えるけど、かすかにチラつく上履きの色から先輩だということがわかる。
「あ、あの、なにか？」
一向に凝視するのをやめない先輩が気になって、私は思わず声をかけた。
その瞬間、先輩の方からパチンと風船状になったガムの弾ける音が聞こえてきて、それに続くように「ああ！」という謎の感嘆の声が風船ガムの先輩の口から漏れた。
「や、なんでも！ 突然話しかけてごめんな、これ食べるか？」
そう言って風船ガムの先輩はポケットに手を突っ込むと、中から何かを取り出してそれをこちらへ軽く投げつけた。
私はなんとかそれをキャッチして、その正体がなんだったのかを知る。
「グリーンアップルのガム？」
「おう。さっきからずっとオレのガムばっか見てたから、欲しいのかなって。違ったか？」
「や、ありがとうございます！ 風船ガムなんて珍しいな〜って思ってたとこなので嬉しいです。すごい観察眼ですね」
私の言葉に「へへ、だろい？」と嬉しそうに笑うこの人は、やっぱり先輩には見えなかった。
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いしだ(プロフ) - アルテミスさん» アルテミスさん、二度目のコメントありがとうございます……！ 続編の方でも変わらず頑張って行きますので、何卒よろしくお願いします(*^^*) (2018年8月19日 21時) (
レス) id: 92a349b8e5 (このIDを非表示/違反報告)
アルテミス(プロフ) - 続編楽しみにしています！ (2018年8月19日 21時) (レス) id: 2cc54b766f (このIDを非表示/違反報告)
ユッキー(プロフ) - 返信わざわざありがとうございます！夢主さん、ついにマネージャーですね！楽しみです！ (2018年8月17日 20時) (レス) id: 127851c6f5 (このIDを非表示/違反報告)
いしだ(プロフ) - ユッキーさん» はじめまして。そう言っていただけてとても嬉しいです！ 応援ありがとうございます、これからも自分のペースではありますが頑張っていきますねヽ(´▽｀)/ コメントありがとうございました！ (2018年8月17日 20時) (レス) id: 92a349b8e5 (このIDを非表示/違反報告)
ユッキー(プロフ) - はじめまして！いつも、とても楽しく読ませてもらってます。応援しているので、これからも頑張ってください(*´▽｀*) (2018年8月17日 2時) (レス) id: 127851c6f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いしだ | 作成日時：2018年7月21日 18時
