くだらない悩み、優しい先輩 ページ29
「あー、疲れた……もうやだ、やだやだ！！」
定期テスト前日の出来事。
私はひとりでに呪いのように愚痴をぼやいて、自分の足元と睨み合いをしながら廊下をとぼとぼと歩いていく。
珍しいことに今日の私はテンションが非常にローで、いつもなら陽気に鼻歌を歌うところ今日は無意識のうちに弱音をぶつぶつとつぶやくレベルにまで気分が沈んでいた。
「水野さん？」
すると、背後から何やら自分の名前を呼ぶ声が聞こえてくる。ゆっくりと後ろを振り返ると、そこには超絶スーパーハイパー紳士柳生先輩が立っていた。
「あ、柳生先輩」
いつものように元気に挨拶をする気力もなく「ジェントルマンの柳生先輩だ〜」とかなりぼんやりした発言をすると、それを不審に感じたのか先輩は眉を顰めて「どうかしたのですか？」と言ってこちらとの距離を詰めてきた。
その行為に少しだけ驚いて、私は思わず「ぎゃっ」と我ながら女性らしさのかけらもない濁った悲鳴をあげる。
そんな私の心情を察したのか、彼はそれを聞くとすぐさま「失礼しました」と軽く頭を下げてほんの少しだけ後ろへ下がった。
「ど、どうもしませんよ！ この通り通常運転です」
「そうでしょうか。少なくとも、私の視界には普段と比べて明らかに元気のなさそうな水野さんが映っていますよ」
「……ほんとですか？」
「ええ。まず表情から違いますから」
気持ちの沈みを隠しきれていない声のトーンや言動から判断したのかと思いきや、まさかの表情が第一の判断材料だったようで。
精一杯笑顔は繕ったつもりだったけど、やっぱり私に嘘は向いてないみたいだ。
「貴方がよろしければの話ですが……私に相談してみませんか？ 力になれるかはわかりませんが、誰かに悩みを打ち明けるだけでも幾分か楽になれるものですよ」
胸元に手を当てて、まっすぐな視線をこちらに向けながら先輩は言う。
正直悩みの種がくだらなすぎるので誰にも相談するつもりはなかったけど……ここはお言葉に甘えてしまってもいいのかもしれない。悲しいことに、気分が重いことに変わりはないし。
「じゃ、じゃあ……こんなこと先輩に相談するのも変な話なんですけど」
重たい口をなんとか開けて、私は先輩に言った。
「……テスト勉強が、嫌すぎるんです！！」
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いしだ(プロフ) - アルテミスさん» アルテミスさん、二度目のコメントありがとうございます……！ 続編の方でも変わらず頑張って行きますので、何卒よろしくお願いします(*^^*) (2018年8月19日 21時) (
レス) id: 92a349b8e5 (このIDを非表示/違反報告)
アルテミス(プロフ) - 続編楽しみにしています！ (2018年8月19日 21時) (レス) id: 2cc54b766f (このIDを非表示/違反報告)
ユッキー(プロフ) - 返信わざわざありがとうございます！夢主さん、ついにマネージャーですね！楽しみです！ (2018年8月17日 20時) (レス) id: 127851c6f5 (このIDを非表示/違反報告)
いしだ(プロフ) - ユッキーさん» はじめまして。そう言っていただけてとても嬉しいです！ 応援ありがとうございます、これからも自分のペースではありますが頑張っていきますねヽ(´▽｀)/ コメントありがとうございました！ (2018年8月17日 20時) (レス) id: 92a349b8e5 (このIDを非表示/違反報告)
ユッキー(プロフ) - はじめまして！いつも、とても楽しく読ませてもらってます。応援しているので、これからも頑張ってください(*´▽｀*) (2018年8月17日 2時) (レス) id: 127851c6f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いしだ | 作成日時：2018年7月21日 18時
