本当にあった怖い話？ ページ21
とある日の放課後。
「ん？ これって」
人気のない静かな2年D組の教室には、ひとりでにくしゃくしゃになった紙を手に持ち棒立ちする癖っ毛の姿がぽつりとあったという。
そして、癖っ毛の男は言った。
目を丸くし口元を手で押さえ、大袈裟に震えた声で「うそだろ？」、と。
☆
「おはようございまーす」
ガラガラガラ、と学校の扉特有の音をたてながら、私は扉をあけて既に登校してきた人たちで賑わっている教室へと入る。
言わなくてもわかるかと思うが、今は朝。そして、私たち立海の生徒でいうところの登校時間だ。
「ねっむ……」
だらしのない欠伸をしながら、私はひとまず中学生に似つかわしくない重たすぎる荷物を自分の机に置いて、そのまま椅子に全体重をかけて座った。
すると、なにやら突然誰かが私の右肩をちょんちょんと指で突いてきたではないか。
「あ？」
やる気のなさすぎる声で返事をして、そっと肩を突かれた方向を向く。
するとそこには、なにやら勝ち誇ったように紙を握り締めながらこちらを見る切原赤也の姿があった。 今にも"俺は王だ"とでも言いそうな自信満々な姿に、私は思わず息を呑んだ。
「え、なに。どうしたの切原。今日はやけにキングみたいな見た目と雰囲気醸し出してんね」
私は呑気にもう一度欠伸を漏らして、改めて彼の姿を見る。
不可解な点はいくつもあるけど、私が一番気になるのはその手に持っているくしゃくしゃになった白い紙だ。
相当この前の小テストの点数がよかったのかな？ などとかなり適当なことを考えていると、それが引き金となったのか私はあることを思い出した。
「そういえばさ、切原私のテスト知らない？ くっしゃくしゃに丸めて鞄に捨てたつもりだったんだけど、全然見当たらなくてさー」
私が思い出したのは、以前無くした100点中26点の国語のテストのことだった。
あんなの人に見せられる点数じゃないからこれで切原が知っていたら逆に困るけど、こうも見当たらないと流石に自分の力だけでは探すことができないことを私は嫌でも悟ってしまった。
ということで、隣の席の切原なら何か知ってるかな、と私はせめてもの足掻きとしてダメ元でテストについて尋ねた。……そのはずだった。
私がテストの話を振った瞬間、切原の目が一気に鋭くギラついたのがわかった。
そして次の瞬間、彼はとても同級生のものとは思えないようなスピードで私の目の前に例のくしゃくしゃになった紙を突き出して、不敵な笑みを浮かべながら一言。
「おう、知ってるぜ。これのことだろ？ ……100点中26点の国語のテスト」
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いしだ(プロフ) - アルテミスさん» アルテミスさん、二度目のコメントありがとうございます……！ 続編の方でも変わらず頑張って行きますので、何卒よろしくお願いします(*^^*) (2018年8月19日 21時) (
レス) id: 92a349b8e5 (このIDを非表示/違反報告)
アルテミス(プロフ) - 続編楽しみにしています！ (2018年8月19日 21時) (レス) id: 2cc54b766f (このIDを非表示/違反報告)
ユッキー(プロフ) - 返信わざわざありがとうございます！夢主さん、ついにマネージャーですね！楽しみです！ (2018年8月17日 20時) (レス) id: 127851c6f5 (このIDを非表示/違反報告)
いしだ(プロフ) - ユッキーさん» はじめまして。そう言っていただけてとても嬉しいです！ 応援ありがとうございます、これからも自分のペースではありますが頑張っていきますねヽ(´▽｀)/ コメントありがとうございました！ (2018年8月17日 20時) (レス) id: 92a349b8e5 (このIDを非表示/違反報告)
ユッキー(プロフ) - はじめまして！いつも、とても楽しく読ませてもらってます。応援しているので、これからも頑張ってください(*´▽｀*) (2018年8月17日 2時) (レス) id: 127851c6f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いしだ | 作成日時：2018年7月21日 18時
