【ツイステ】平凡少女は恋をされているらしい

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階段を下りる音が聞こえるので、2人は下で寝るらしい。


混乱は尽きないが、実はずっと目を逸らし続けていたことがある。



それが『この場所』についてだ。



なんか、違うんだよね。


家の床、壁、ドア、そしてこの部屋。


夜ということもあり薄暗いライトしか付いていなかったので最初は気付かなかったが、どうもおかしい。


知らない時計の音も鳴ったし、この家の住人かのように振る舞うあの2人。


多分、いや間違いなく。



ここは私の家じゃない。



目の前の明るいライトに照らされた部屋を見る。


階段のところは薄暗くて見ないフリを出来たが、部屋に入れられた時に女性が点けた明るいライトに照らされたこの光景は流石に目を逸らせない。



私が知っている自室より広い部屋には知らない配置で家具が置かれ、本棚には知らない文字が背表紙に入っている本が入れられている。


生活感は感じるものの、身に覚えが全くない部屋。


だけど女性は私の名前を知っていたし、私をしっかりと認識した上でこの部屋に入れた。



……分からない。



平然としていたが、私の脳は寝る直前のほぼ機能していない脳なのだ。


その脳で数え切れない疑問点を処理し切れるわけがない。



寝よう。


生まれてからずっと日本で生きてきた私は平和ボケしていたのかもしれない。


とりあえず流れに身を任せ、知らないこの部屋で誰かのベッドをお借りし、眠ることにした。

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