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「 どうしたんですか? 」
「 俺を、探してくれ。
話せば長いが、前任に隠されてしまってなぁ、……
___なあ、伽でも なんでもする
だから、頼む_____ 」
そう、語る彼はとても苦しそうで、
息遣いは荒く、私を抱き締める腕は更に強くなっていた。
「 ああ、どうか 俺を見捨てないでくれ ____ 」
そして彼は、崩れ落ちた。
今迄、辛い想いをたくさんしたのだと思う。
自身を隠され、 仲間を守る事が出来ず、
戦にも出れず。
私には全く想像出来ない世界だ。
私は、廊下に座り込んでしまった彼に目線を合わせる。
「 一緒に探しましょう 」
儚い綺麗な瞳。その瞳に吸い込まれそうになる。
「 本当、か…? 」
彼はその瞳を大きく開け、私に問うた。
私は何も言わずに 頷く。
彼は涙を浮かべながら、私に言うのだ。
「 ありがとう、ありがとう 主 」
と。
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泣き止まない三日月を宥めて、私達は大広間へ急いだ。
襖を開ければ、そこには 男士の姿は少なかった。
「 あ、やっと来た 」
君が、新しい審神者だね ?
そう、少し何を考えているか分からない笑顔で 私に近付いてくる 髭切。
「 それ以上兄者に近付いたら…! 」
と、抜刀する膝丸。
いやいや、近づいて来てるの 髭切だから_____
そう心の中で突っ込みつつ、私は彼の手を取り 挨拶をする。
どうか、殺さないでね 、そう憶ながら。
「 あー!あるじさまー!ぼくとも あくしゅしてください! 」
と、今剣が 頬を膨らませながら私の前でピョンピョンと跳ねている。
順番ね、__ と、言い終わる前に私はまた背後から抱き締められる。
「 残念だったなあ…
主はこのじじいのものだ 」
そう、意地悪な顔をしているなんて 私には知る由もない。
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鶴(プロフ) - 椿さん» ご意見、ありがとうございます(´;ω;`) (2019年5月8日 22時) (レス) id: f7d2eb1740 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - 今まで通りがいいです! (2019年5月8日 22時) (レス) id: e36d1c7298 (このIDを非表示/違反報告)
くれは卍(プロフ) - 【改】が更新されるのを待ってます!頑張ってください! (2019年4月5日 22時) (レス) id: 325596c204 (このIDを非表示/違反報告)
キリンロング - 【改】が更新されるのが楽しみ過ぎて夜しか眠れません(真顔)。 (2019年3月30日 22時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆらん | 作成日時:2019年3月26日 10時