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「 だから、言っているでしょう? 打ち合わせだったんです、」
嗚呼、また今日も。
朝から怒鳴られる。なんでこう、気持ちを上手く伝えられないのか。
『 げんたろ、…ちが…っ 』
ぱちん、と 乾いた音が部屋に響く。
そして、じわじわと痛みが頬を伝う。
私は今、世に言う びんた と言うものを食らったらしい。
顔なんて、親にも打たれたことないのになあ…
なんて、呑気に考えていると、彼は既に部屋から出て行っていた。
『 うっ……うぅ、… なんで、私が… っ 』
私の嗚咽は 虚しくも寂しく誰もない部屋に響く。
ここ3ヶ月ずっとこうだ。
付き合い始めて2年。
同棲を始めて半年。
お互い 、飽きてきてしまったのかもしれない。
幻太郎は 、朝早く家を出て 夜12時を過ぎてから帰って来る。
初めは、不安で不安で不安で仕方がなかった。
浮気、していても 私の所に帰って来ればそれで良い。
…なーんて。
それは建前。
浮気の現場を抑えて、
さっさと別れる… それが、私のやるべき事。
でも、呆気なく別れてしまえば 、楽しくない。
私が苦しんだように、彼も苦しめばいい。
そして、今日がその作戦実行の日。
『 上手く行けばいいなあ 』
何がなんでも成功させなくちゃいけない。
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作者名:鶴 | 作成日時:2019年7月6日 14時