検索窓
今日:14 hit、昨日:0 hit、合計:54,845 hit

番外編 7 ページ8

栗色の明るい艶めいた髪。
色素の薄い瞳と長い睫毛は見つめられたら吸い込まれそうなくらいに綺麗で…。


柄にもなく緊張してしまった俺は、うまく言葉を繋ぐことすらも一瞬忘れてしまっていた。







「あれ、同じ学校の子??」





…わかってはいたけど、やっぱ視界にすら入ってなかったみたいでサァ。


こうして現実を思い知らされると、気にはしないつもりでもやっぱり傷つくってもんだ。


「……どうやらそうみたいですね。」


意外とショックを受けてしまっている自分が情けねぇ。


「大丈夫?怪我ない?」


なのにこの人は、人の気も知らないで…、
こっちがびっくりするほど友好的な態度で、警戒なんて一つせず、ズカズカと俺に話しかけてきた。




「俺は大丈夫でさァ。先輩は?」

「え?先輩って…。」



あ、やっちまった。
初対面の奴に"先輩"なんて言われたらそりゃ不審に思うだろう。
自分の失言に慌てていると、先輩の目線は俺の校章に。

どうやら校章の色で学年を知られたって思ってくれたらしい。



「私も大丈夫。本当にごめんね。」

「お構いなく。これからはちゃんと前見て歩いてくだせぇ。」

「うん。ほんとね。」




冷静に言葉を運びながらも、内心焦りまくりの俺。

すると先輩は何かを思い出したように慌てだした。




「高杉先輩のこと忘れてた!!!」

「呼んだか?」

「ぎゃああああ!変態!」




誰だ?
突然、第三者の声がして顔を上げれば、先輩に馴れ馴れしく絡んできた男。

そいつのことはよく知らないが、見たことはある。
たしか三年の高杉晋助だ。
不良で厄介な奴って悪名高い有名人。


なんで高杉がここに?…なんて思ってたら、さっきまで能天気に俺と話してた先輩が突然慌てだした。



よくわからないけど、なんとなく状況は理解できた。

そしてこれはきっと、神様が与えてくれたチャンスだ、と自分なりに解釈した。


土方さんや高杉なんかに負けてられねぇ、なんてくだらない闘争心が俺の中で芽生えてしまい、気づいたら俺は…

「先輩、こいつに追われてるんですかい?」

「え?」

「誰だァ?この生意気そうな奴は。」







「なんか面白そうだから助太刀しやすぜ。」




先輩の手を引っ張り、走りだしてたんでサァ。









−−−−
−−−
−−

人を第一印象で左右する人間が大嫌いな少年は、






第一印象が素敵だった、他は何も知らない女の子に




恋をした。





それは切なく哀しい恋物語。

八章 1→←番外編 6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (69 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
119人がお気に入り
設定タグ:土方十四郎 , 銀魂 , 沖田総悟
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

メイ(プロフ) - 美緒さん» 美緒さん!素敵なコメントありがとうございます!そして返事が遅くなりごめんなさい(´;ω;`)す、好きだなんて!嬉しい!私はそんな美緒さんが大好きです!← 更新停滞してましたがこれからどんどん更新頑張ります!やる気の出るコメありがとうございました!らぶ! (2019年7月24日 2時) (レス) id: 4ae3c296b6 (このIDを非表示/違反報告)
メイ(プロフ) - 赤珠(仮)さん» 赤珠さん!素敵なコメントありがとうございます(´;ω;`)嬉しすぎる…!コメ返かなり遅くなってしまい申し訳ないです。(ジャンピング土下座)私の妄想小説にドキドキしてくださってるなんて…もう!赤珠さん!好きです!本当にありがとうございます!更新頑張ります! (2019年7月24日 2時) (レス) id: 4ae3c296b6 (このIDを非表示/違反報告)
美緒(プロフ) - とても好きです!こんなこと言うのはおこがましいですが、早く続きが読みたいです!頑張ってください!星つけられるなら何個でも付けるのであ (2019年7月4日 1時) (レス) id: 27f4f840cd (このIDを非表示/違反報告)
赤珠(仮) - 一気に読んじゃいました…。夢主ちゃんと土方先生のドキドキ展開が最高です!!もっと伸びるべき!! (2019年6月15日 16時) (レス) id: bf995e4343 (このIDを非表示/違反報告)
メイ(プロフ) - たいやきさん» たいやきさん、コメントありがとうございます!もう小説読んでもらえるだけで嬉しいのに星まで押してくださるとか神対応すぎて嬉しいすぎて倒れます(´;ω;`)感涙。ありがとうございます! (2019年4月30日 1時) (レス) id: 4ae3c296b6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:メイ | 作成日時:2019年4月1日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。