土方先生と生意気JK (2)

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楽しい時間はあっという間に過ぎて、気づけば修学旅行最終日も間も無く終盤を迎えていた。

「点呼が済んだ班から新幹線乗ってけ〜。」

先生達にチェックをしてもらい帰りの新幹線に乗り込む。


「楽しかったね。」

みんなでお菓子を食べたり旅の思い出を語りながら盛り上がる中、前の通路から最終点呼をしながら歩いて来た土方先生。

一瞬、目があった気がしたけどつい恥ずかしくて目をそらしてしまう。




そしてすれ違う瞬間、




「忘れ物すんなよ、お騒がせ女。」



「なっ！？大丈夫ですっ！」


コソっと呟くような捨て台詞とともに、クシャッと頭を撫でられた。


そのまま向こうに歩いて行く先生の背中を見ながら、ドキドキと高鳴る胸を落ち着かせ、はぁ、とため息を一つ零す。









「恋する乙女って感じねぇ〜。」

「う"…うるさいよ…！さっちゃん！」


気づけば、横に座るさっちゃんがニヤニヤと嬉しそうにこっちを見ていた。


茶化さないでよ、と睨んでもさっちゃんは御構い無しに続ける。


「Aと土方先生のラブラブツーショット写真、たくさんあるわよ！」


はい？先生との写真なんて撮ってもらった覚えないですが…？


さっちゃんが得意げに掲げたカメラを覗けば、そこには写っていたのは何枚もの私と土方先生のツーショット写真…というよりはただの盗撮写真だった。


「ちょ！何勝手に撮ってんのよ！」

「だって…私を放っていつまでも二人でイチャイチャしてるから…。」

「別にイチャイチャしてないからぁっ！」

「はいはい。ちなみに写真代一枚1000円ね☆」

「高すぎかよ！！！」



昨日、先生のことが好きだということをさっちゃんに話した。

まだ付き合ってもないのにすごく嬉しそうにしてくれて全力で応援するわ！なんて言ってくれて嬉しかったけど…、

案の定、あれからずっとこの調子だ。

「さ、何する？先生のとこいって王様ゲームしちゃう？」

「 」

「無視しないでぇ！そして寝ないでぇ！」

「さっちゃんのことシャットダウンするから。さよなら。」

「酷い！！！」

う〜ん…あれ…？どうしよう。後悔の念がすごい。

ああ、神さま、さっちゃんに相談した私が間違っていたのでしょうか。




楽しかった思い出と、少しのドキドキの気持ち、そしてなんとも言えない一抹の不安を抱えながら、高校最後の一大イベントが幕を閉じた。

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