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『お客様、申し訳ございません。この時間からの当日予約となりますと、もう部屋が埋まっておりまして…。』
「そすか…。わかりました、ありがとうございます。」
あれから
先生と二人で近くにある宿泊施設をところどころ当たってはみたものの…
そう上手くはいかず…
ビジホや観光ホテルはどこも満室。
「チッ…全滅かよ。」
「どうしよう…。」
「まぁもう夜遅いしなぁ、なんつったって旅行シーズンだし。」
「これじゃ本当に今夜は野宿になるかも…。」
もうかれこれ30分は彷徨っている。
力なく呟いて、その場にしゃがみ込む私。
さすがに一日中歩きっぱなしで気力と体力に限界が…
「おい、大丈夫かよ。」
心配した土方先生が私の顔を除く。
その時、
グゥ〜〜〜
「な"っ…、」
なんてタイミングよ!
私のお腹の音!
「腹減ってんのか。」
「減ってません…!」
「嘘つけ。すげー音だったぞ。」
「さいっあく…。」
恥ずかしさに真っ赤になった顔を埋めていると
「まぁ、そろそろ本当に寝場所探さねぇとAも限界だよな。」
そう言いながら、行くぞ、と私の手を引き進み出す土方先生。
え、行くって何処に?
はてなマークを浮かべる私に、土方先生はただ「最終手段だ。背に腹はかえられねぇ。」なんてこっちを振り向かず呟くように言った。
そして…
「最終手段って?ここ?」
土方先生に連れられて来たのは、
闇夜に浮かぶネオン街。
ピンクや紫のキラキラした光が目に眩しい。
私と土方先生の目の前には不自然にカラフルでまるでおとぎ話に出てくるお城の様な建物が門を構えてた。
「ここなら空いてんだろ。」
「え?」
「とりあえずA。制服はまずいから俺の上着羽織れ。」
さっきから放心状態で状況を把握できてない私にお構いない様子で土方先生が自分の上着を脱いでかけた。
ちょっと待ってよ。
制服で入れないホテルって、何なんですかね…?
「あの…土方先生、ここって。」
「いいから来い。」
呼び止める私の方を振り向こうとしない土方先生の顔は
なんだかすごく真っ赤で
もうそれ以上喋るな、なんて
少し強引に言いながら私の腕を引っ張って
そんな私達を吸い込むように開いた
怪しげなピンクの自動扉は
闇夜の中で妙にキラキラと異質な光を放っていた。
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メイ(プロフ) - 美緒さん» 美緒さん!素敵なコメントありがとうございます!そして返事が遅くなりごめんなさい(´;ω;`)す、好きだなんて!嬉しい!私はそんな美緒さんが大好きです!← 更新停滞してましたがこれからどんどん更新頑張ります!やる気の出るコメありがとうございました!らぶ! (2019年7月24日 2時) (レス) id: 4ae3c296b6 (このIDを非表示/違反報告)
メイ(プロフ) - 赤珠(仮)さん» 赤珠さん!素敵なコメントありがとうございます(´;ω;`)嬉しすぎる…!コメ返かなり遅くなってしまい申し訳ないです。(ジャンピング土下座)私の妄想小説にドキドキしてくださってるなんて…もう!赤珠さん!好きです!本当にありがとうございます!更新頑張ります! (2019年7月24日 2時) (レス) id: 4ae3c296b6 (このIDを非表示/違反報告)
美緒(プロフ) - とても好きです!こんなこと言うのはおこがましいですが、早く続きが読みたいです!頑張ってください!星つけられるなら何個でも付けるのであ (2019年7月4日 1時) (レス) id: 27f4f840cd (このIDを非表示/違反報告)
赤珠(仮) - 一気に読んじゃいました…。夢主ちゃんと土方先生のドキドキ展開が最高です!!もっと伸びるべき!! (2019年6月15日 16時) (レス) id: bf995e4343 (このIDを非表示/違反報告)
メイ(プロフ) - たいやきさん» たいやきさん、コメントありがとうございます!もう小説読んでもらえるだけで嬉しいのに星まで押してくださるとか神対応すぎて嬉しいすぎて倒れます(´;ω;`)感涙。ありがとうございます! (2019年4月30日 1時) (レス) id: 4ae3c296b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メイ | 作成日時:2019年4月1日 23時