土方先生と生意気JK (ページ9)

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三章 1 ページ9

「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん！猿飛あやめの恋愛ゴシップコーナー！いぇーい！」

「さっちゃん、呼んでないよ。ここは図書室だから静かにしていようね。」

「今日は愛しのAちゃんのために、わたしがとっておきのとくダネ情報、仕入れてきたわよ～っ！」

「わたしの話聞いてたかな？」

いやはや全く…図書室なんてなれない場所にくるもんじゃないな。
こんなに喧しくされて一生懸命勉学に励む生徒達が不憫で仕方ないよ。

ちなみになぜ図書室にいるかというと、土方先生にとりあえず参考書を読め。とのお達しがあったからである。
正直参考書とか読む気はサラサラないけど、とりあえず図書室いって探してるフリしときゃいいだろって作戦。←

「土方先生の恋愛事情は掴めたの？」

「いや、全く。てか忘れてたわ、そのこと。」

「あら、A。土方先生への恋愛アプローチ大作戦はもう終わったの？」

「終わったもなにもそんな大作戦始まってもいないのだが。」

全く、さっちゃんの脳内お花畑にはついていけない。

「まぁそんなことだろうと思って、わたしが手に入れたとっておきのマル秘情報、特別に教えてあげるわよ。」

「え？」

「なんと…土方先生は28歳、独身、都内のマンションに一人暮らし中！どうやら彼女はいないみたいね。」

「とくダネ情報ってまさかそれ？」

「そうよ。超ウルトラスーパー特ダネ情報でしょ。」

「はーい、どうでもいい情報、どうもありがとうございまーす。」

…ふーん。28歳なんだ。いい歳して、一人暮らし中で、彼女いないなんて。
やっぱり心に決めた好きな人でもいるのか？
一途そうだもんなー。わりと。

「そろそろ教室戻ろっか、さっちゃん。」

「参考書は見つかったの？」

「見つかるわけないじゃん。いいよ、どうせ読まないし。」

「私、土方先生がちょっと可哀想になってきたわ。」

「え、なぜ故。」

くだらない時間を過ごして、わたしとさっちゃんは図書室を後にした。