土方先生と生意気JK (ページ36)

今日:16 hit、昨日:10 hit、合計:78,986 hit

七章 1 ページ36

「A～っ！」

「ぎゃっ！」

次の日、学校に登校して一息付いてると、さっちゃんが後ろからタックル…もとい、いきなり抱きついてきた。
何事かと思えばいつもの妖しい笑みを浮かべていて嫌な予感…。

「私～、昨日見ちゃったんだからね～？」

「はぁ？昨日？何を…。」

「土方先生との禁断の恋。そこへ突然現れたダークホース、あざとい後輩、沖田総悟。複雑な恋の三角関係の幕開け…。」

「ちょっ、」

朝からでっかい声で言うもんだから、クラスメイトの注目を集めてしまい、慌てて口を塞ごうとしたけど、もう遅かった。

さっちゃんは興奮ままならない様子で話し続ける。

「昨日の放課後のあれ、どういうことなのー？ねぇ、沖田くんとはもう連絡取り合ってんの？詳しく話しなさーい！」

「てゆうかなんで知ってんの！」

その話、確かまだ話してないんですけど。

「見てたからよ。廊下の隅に隠れて。」

「あ、ストーカー業務はまだ続いてたんだ…。」

「人聞き悪い事言わないで！見守ってるって言ってるでしょ！」

「…別に総悟くんとは最近仲良くなっただけ。三角関係とか、さっちゃんの期待してる様なものは何もないよ。」

そもそも、土方先生との禁断の恋ってとこから語弊があるけどね。
あのニコチンマヨラー鬼教師との恋なんて、全くもって御免だ。

「怪しいわね～。」

「だーかーらー、怪しくないって。」

「ふーん？まぁ、私としてもあの子とは何も無い方がありがたいけど。」

「…どういう意味？」

「Aには土方先生と結ばれて欲しいのっ！」

「そうですか。残念ですね、0.000%の確率でそれは無いですから。ニコチンとマヨネーズの過剰摂取不健康教師には全く興味ないですから。」

「誰の話だ？」

「…ギク。」

いつのまにか、目の前に立っていたのはまさにニコチンマヨry…いや、土方先生。
眉間をピクピクと動かしながら私を見下げる目は笑っていない。

「土方先生、お、おひさ～。」

「教師に向かってなんつー軽い挨拶だ。」

ペシ、と軽く頭を小突かれる。

「授業始めるぞ、Aも猿飛も席つけ、」

土方先生はそう言うなりなんなり、教卓に向かって行った。